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【疲労に負けない食事と生活習慣①】体の疲労のメカニズムと回復法。栄養ドリンクで疲労は本当に回復する?

【疲労に負けない食事と生活習慣①】体の疲労のメカニズムと回復法。栄養ドリンクで疲労は本当に回復する?

年々「疲れた〜」と口にする回数が多くなっていませんか?疲労は体からのシグナルです。「疲労」が一体どういうものなのか、そして疲労をすみやかに解消し、長引かせないためのヒントを食いしん坊倶楽部メンバーで医師の三浦雅臣さんにうかがいました。

疲労も実は人間にとって必要なもの

「疲労」は医学的にいうと、「体の機能が低下して、休息を必要とする状態」のことです。言い換えれば、これ以上無理をするとヤバイ、という体の内側の声でもあります。体にとってのブレーキともいえるでしょう。
先天的な病気で疲労や痛みを感じにくかったり、汗をかきにくかったりする人もいるのですが、そういう人たちは体のブレーキが効かずにけがをしたり、暑さなどから身を守ることができずに体調をくずすこともあります。つまり疲労を感じるということは、体にとって必要なことなのです。
体の疲労は、筋肉を動かしたり、なにがしかのストレスがかかったり、不摂生をして栄養が足りなかったりして、炎症性物質がたまる、活性酸素が増えるなどの要因が複合して起こるとされています。加齢や環境、感じ方によっても、さまざまな疲労があります。気の進まない仕事での疲労もあれば、楽しいスポーツなどでの疲労もあります。

続く、繰り返す疲労は病気のサイン?

また疲労は「急性疲労」、「慢性疲労」に分けられます。急性疲労は一時的な疲労で、適切な休息、睡眠や栄養補給で回復します。
疲労が長く続いている、繰り返している、あるいは悪化している場合は注意が必要です。特に1カ月以上続く疲労は、生活習慣だけでなく、貧血や甲状腺の異常、糖尿病(参考=「20代でも安心できない!食いしん坊のための糖尿病講座①」、睡眠障害、コロナ後の後遺症が関係していることもあります。6カ月以上続く強い疲労の場合は、慢性疲労症候群などによることも考えられますので、一度病院で検査を受けることをおすすめします。疲労は見た目には現れませんので、病気なのに怠けているだけと捉えられてしまうことも。問題があってもなくても、受診することで安心材料にはなると思います。疲労外来がある病院があればよいのですが、なければかかりつけの内科でもよいでしょう。

血流を促して疲労感をやわらげる

疲労を感じたときはどう対処すればよいでしょうか。
疲労の原因となる炎症性物質や活性酸素は、過度な運動、睡眠不足、脂っこいものや糖質のとりすぎなどが重なることで蓄積されていきます。
まずはしっかり眠って充分な休養をとるのが一番。軽い運動をしたり、のんびりとぬるめのお風呂に入って血流を促すのもおすすめです。熱すぎるお風呂は体に負担となりますので要注意。シャワーでもいいのですが、ゆっくりと湯船につかることで、効率よく体が温まり疲労感の軽減につながります。湯船では肩までつかると疲労による肩こりも解消されます。サウナやマッサージも効果的です。
血流をよくするには水分補給も大事です。エネルギー代謝にも水分が必要になりますので、適度な水分補給も忘れないでください。

甘いものやコーヒーで疲労は回復するか

甘いものとコーヒー

疲れたときに甘いものがほしくなる……という人も少なくないかもしれませんね。これはエネルギー不足が原因の疲労と考えられます。ただし、甘いお菓子を一気に食べてしまうのはNG。血糖値の急激な上昇で血管にも負担がかかります。りんごやヨーグルト、ナッツなどを少し食べる程度にとどめておきましょう。

即効性のある疲労対策として栄養ドリンクやコーヒーに頼る人もいますが、これらで疲労が解消されるわけではありません。基本的にはカフェインの覚醒作用により、一時的に脳がシャキッとして、疲労が回復したように感じるだけで、体の疲労は残ったままということになります。効果が切れたときにかえって強い疲労感に襲われる可能性もあります。
アルコールも同様で、アルコールで一時的に疲労をやり過ごせることもありますが、疲労が根本から解消されているわけではありませんので、気をつけてください。

次回は疲労回復に効く栄養素や食材について具体的にお話しします。

教える人

三浦 雅臣先生

東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 助教。2014年東京大学医学部医学科卒業。2021年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了・卒業。糖尿病や肥満症を専門に、最近では老化や睡眠、味覚についても探究を深める日々。

編集:出口雅美(maegamiroom) 文:久保木 薫 写真:Shutterstock

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