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【湯河原のおいしいロカボ④】「ここまで上がらないのか!」低糖質調味料は一切使わず、おいしさに徹底的に寄り添ったロカボコースの結果が衝撃だった

【湯河原のおいしいロカボ④】「ここまで上がらないのか!」低糖質調味料は一切使わず、おいしさに徹底的に寄り添ったロカボコースの結果が衝撃だった

東京から東海道線で揺られること一時間余り。歴史ある温泉地・湯河原がいま、おいしいもの×旅に加えて、「ロカボ(適正糖質)」をキーワードに盛り上がっている。そんな湯河原ロカボツアーを”リブレ2”という血糖値測定器を着けて編集部員が体験。旅の締めくくりとなるのは、地元食材と季節感を何より大切にしている「お料理 加瀬」のロカボコースだ。

ロカボ旅を締めくくるのは、湯河原の名店出身の和食店

湯河原ロカボ旅の締めくくりとなる夕食に向かったのは、駅からも程近い場所にある「お料理 加瀬」。店主の加瀬康之さんは元々「石葉」で料理長を務め、2022年に独立。奥さまの亜理歌(ありか)さんと二人で営んでいる。

「最初は銀座で店をやりたいと思っていたんです。でも、いざ働いてみると料理に季節感があまり出せなかったんですよね。せっかく和食をやるなら、季節を大切にしたい。そう思って、地方で働き、地元食材や季節感をしっかり演出することを目指すようになりました」

加瀬さんは、ロカボだからといって普段と大きくは変えない。実は、低糖質調味料(ラカンカ糖など)は一切使っていないそう。提供する順番や調理法を変えることでロカボを実現している。

加瀬康之さんと亜理歌さん
加瀬康之さんと亜理歌さん。二人とも「エコール辻 東京(現辻調理師専門学校 東京)」出身で、在籍中に知り合った。16年前に結婚し、現在は3人の子供とともに湯河原で暮らす。最初の修業先の先輩がきっかけで「石葉」で働くことになり、そのまま湯河原の地に惹かれていった。
カウンター
店内はカウンターのみ7席。「カウンター席だと、お客さんの食べるペースを把握できますし、ゆっくり食べ進めるようコントロールできるのでロカボとは相性がいいんですよね」と加瀬さん。料理は1万9800円、サービス料別。月ごとにコースの内容は変更あり。

「お料理 加瀬」のコースは和食の粋を集めた全10品!

「お料理 加瀬」のロカボコースは、先付から甘味までで合計10品。

「最初に糖質の低いスパークリングワインなどで食事をスタートすることで血糖値の上昇が緩やかになります。僕自身もリブレ2を着けて試してみたのですが、血糖値が上がりにくかったですね」と、加瀬さん。
食事の後半はワインよりも一般的に糖質の高い日本酒を交えても大丈夫とのこと。せっかくなので、お薦めの日本酒も交えながら食べることに。

伊豆の伊勢海老
先付は伊豆の伊勢海老。海老は炭に直接落として火を入れることで香ばしさを引き立たせる。付け合わせのカブは60℃の昆布だしで3時間炊くことで、生と火入れの間のような絶妙な食感。お酒の一杯目はピノ・ビアンコとシャルドネのスプマンテ。
二品目のお椀は尾長鯛、生きくらげ、湯河原のゆず
二品目のお椀は尾長鯛、生きくらげ、湯河原のゆず。鰹と昆布の合わせだしで、やわらかな旨味が広がる。魚など動物性のタンパク質も最初に食べると血糖値が上がりにくくなる。
お造り
三品目のお造りはあずきはたを自家製ポン酢で。食事のスタートから30分程度経過したらいよいよ日本酒!合わせるのは川西屋酒造店の「隆」純米吟醸 若水55。
お造り、すまがつお
四品目にもう一つのお造り、すまがつお。からし醤油をかけ、針みょうがをのせる。鰹の濃い味わいと針みょうがの爽やかさが絶妙。

ここでしか食べられない“友情の金目鯛”

5品目の焼き物は金目鯛。
なんと、中学時代に加瀬さんと剣道部で一緒だった友人が神津島で漁師をしていて、その日獲れた中で一番の金目鯛を卸しているとのこと。
沖で獲れる金目鯛は近海のものに比べて脂がのりすぎていない。皮目に油を塗って焼くことで旨味と食感を引き出しているため、軽やかでありながら深い味わいが印象的。
日本料理では控えられることが多いが、油はロカボでは血糖値を上げにくくする味方だ。

友情の金目鯛
“友情の金目鯛”。福島県・矢澤酒造店の「薄紅葉」吟醸ひやおろしを合わせる。
手打ち蕎麦
六品目には手打ち蕎麦。十勝の蕎麦粉を使って二八でつくり、自家製のからすみとともに。蕎麦は糖質を含むため血糖値が上がりやすいが、こちらも食事後半であれば、前半で食べるより上がりにくい。
大中寺芋の唐揚げ
七品目の蓋物は大中寺芋の唐揚げ。大中寺芋は、静岡県沼津市の愛鷹山麓で栽培されてきた里芋のこと。一個が1kgほどにもなる大きな芋。下には香茸の餡を敷いている。香茸は一度天日干しにしてからおだしと合わせて餡にすることで、より香りを引き出す。

メインは南足柄の相州和牛

八品目は加瀬さんのスペシャリテでもある、南足柄産の相州和牛の炭焼き。
香り高く、ひと噛みごとにじわりと肉が持つ豊かな味わいが広がる。濃厚だけれど、重くはない。いつまでも食べていたいおいしさ。
タレに使っている自家製の山椒醤油も欠かせない役割だ。3年間継ぎ足しながら熟成させ、肉とは違う深い旨味を生み出している。

相州和牛の炭焼き
相州和牛の炭焼き。下焼きした後にコンベクションオーブンで火を入れ、最後に炭を直に当てて焼き目と香りを増幅させている。付け合わせは湯河原産の栗で、揚げねぎをのせている。山椒醤油は実山椒を醤油、酒、味醂で漬けていて、3年間継ぎ足している。合わせる酒は島根・王祿酒造の「丈径」。
地元のかますと松茸の炊き込みご飯
九品目は地元のかますと松茸の炊き込みご飯。炭水化物だけの白飯よりも、炊き込みご飯のほうが血糖値は上がりにくくなる。さらに、松茸をあえて油で炒めることで糖質の吸収を抑えるようにしている。左奥は自家製の梅干し、大根のぬか漬け、昆布の佃煮。右奥はなめこの赤だし。
土鍋
滋賀県の雲井窯の土鍋で炊き上げる。取材時は秋だったので松茸だが、季節ごとに旬の食材を楽しめる。
らくもち
最後の十品目、甘味はオリジナルの“らくもち”。函南町丹那にある「酪農王国オラッチェ」の牛乳や全粉乳を使用。食べた瞬間に牧場の風景が浮かぶような、ミルキーな味わいが印象的だ。

気になる血糖値は……

たっぷり飲んで食べて、気づけば3時間近くが過ぎていた。
あまりのおいしさに、こまめに血糖値を見ることは途中で諦めてしまったが果たして……。

恐る恐るアプリで血糖値を見ると、グラフはまったく予想していない動きをしていた。なんと、食前からほぼ横ばいに推移しながら、一時はむしろ下がっていた!最初から最後までおいしくて、何一つ制限した感覚もなく食べ続けたのに、血糖値はむしろ下がる。こんなにうれしいことがほかにあるだろうか。

「やっぱり、おいしくないものは続かないじゃないですか」という加瀬さんの言葉が身にしみる。これなら、何度でも食べたくなる。

湯河原でロカボな一日を過ごして

今回、「石葉」の朝食、「荒井商店」の昼食、「ランブル」のおやつ、「お料理 加瀬」の夕食を通じて、「これまで考えていた“ロカボ”へのイメージと全然違っておいしい!」ということを強く感じた。各店それぞれに、ロカボになることはもちろん、なるべくおいしくしようという工夫がちりばめられていて、街全体で取り組みをしていることの凄さを実感した。

今回行けない店もまた機会があれば行ってみたいな、と思っていたらフードナビゲーターの柴田さんから「2026年度も湯河原でロカボ事業は続きます。宿やお店も増え、生産者やお土産品も加わりそう」との朗報が!次はどんな順番で巡ろうか。今から待ち遠しくなる。

店舗情報店舗情報

お料理 加瀬
  • 【住所】神奈川県足柄下郡湯河原町土肥1-5-32
  • 【電話番号】0465-43-7277
  • 【営業時間】18:00~一斉スタートのみ
  • 【定休日】日曜、月曜
  • 【アクセス】JR「湯河原駅」より5分

撮影:阪本 勇 文:折敷出 陸(編集部)

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