私の行きつけ~住む町の旨い店案内~
【教えて、浅草の行きつけ】手打ち麺のつるつるむっちり食感を、担々つけ麺で堪能!~「釜浅商店」熊澤大介さんの紹介

【教えて、浅草の行きつけ】手打ち麺のつるつるむっちり食感を、担々つけ麺で堪能!~「釜浅商店」熊澤大介さんの紹介

その町の住人が長く通う店こそ、愛される名店に違いない。dancyu2025年秋号では、合羽橋で四代続く料理道具店を営む「釜浅商店」店主・熊澤大介さんに、浅草のとっておきを案内してもらいました。

雷門仲通りを駒形方面に歩いて行くと、通りの先からバンッバンッ!と威勢のいい音が聞こえてくる。地元で長く愛される手打ちラーメンの店、「馬賊 浅草本店」だ。「僕は昔から昼飯を食べに来てるし、社員たちもこの店が大好きなんですよ」と熊沢さん。店の前に着くと、入口横のガラス窓から麺打ちの作業が眺められる。

馬賊 浅草本店
「馬賊 浅草本店」は1977年開店。通し営業なので遅めの昼食にも使えるのが嬉しい。

「うちの生地は柔らかいから製麺後10分ももたない。だから注文が入るごとに手打ちするんです」と語ると、店主の恒吉誓一さんは魔法のような手捌きで麺を打っていく。

製麺
注文ごとに麺を打っていく。
製麺
製麺
製麺

テーブルに運ばれてきたのは、担々つけ麺。馬賊の名物である担々麺に使われる胡麻だれをつけ汁に使った人気のメニューだ。小麦の香りが高い麺は、むっちりな食感とパツンと張ったコシがたまらない。甘味と酸味が程よいつけ汁は胡麻の風味が濃厚で、それが手打ちの麺にしっかり絡んで箸が止まらない旨さとなる。汁の中にはゴロンとした角切りチャーシューも入って、食べ応えも満点だ。

担々つけ麺
人気メニューの担々つけ麺。これに具材がたっぷりのった馬賊つけ麺もお薦めだ。

「夏場だったら、僕は“ばぞひや”一択ですね(笑)」と熊澤さんが笑顔で語るのが、“ばぞひや”こと馬賊冷し。こちらはボリューム満点の具材がのった冷し中華で、冷やして締めているので麺の食感が一層際立つ。暑い季節が訪れたなら、ぜひとも食べに行ってほしいパワフルな一皿だ。

熊澤さんの夏の定番=馬賊冷し。注文ごとに皮からつくる餃子は具がパンパン!

教える人

「釜浅商店」店主 熊澤大介さん

アンティークショップや家具店勤務を経て、2004年より実家である料理道具店「釜浅商店」四代目店主に就任。リブランディングを成功させ、パリとニューヨークに支店を持つ。

店舗情報店舗情報

馬賊
  • 【住所】東京都台東区雷門2-7-6
  • 【電話番号】03-3841-6002
  • 【営業時間】11:15~20:30(L.O.)
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロほか「浅草駅」より4分
dancyu2025年秋号
dancyu2025年秋号
A4変型判(160頁)
2025年9月6日発売/1,500円(税込)

文:宮内 健 写真:衛藤キヨコ

宮内 健

宮内 健 (編集者、ライター)

1971年、東京生まれ。音楽誌『bounce』『ramblin'』編集長を歴任し、フリーランスの音楽ライター、編集者として長らく活動している。2010年以降「食」や「酒」に関してもテリトリーを広げ、2018年から2024年まで『dancyu』編集部に在籍。数々の特集記事の企画編集や執筆を手掛けた。