dancyu編集長の「ペルー」美味紀行
日本人はまだ知らない!? クリーミーで超絶美味な「幻の緑アボカド」~dancyu編集長のペルー美味紀行~(第4回)

日本人はまだ知らない!? クリーミーで超絶美味な「幻の緑アボカド」~dancyu編集長のペルー美味紀行~(第4回)

ペルーの朝食ビュッフェで、何気なく皿に取ったスライスアボカド。一口食べて驚きました。特に変わった味ではないのですが、バターのようになめらかな食感で旨味が濃く、アボカドとしてのクオリティが高い!聞けば、緑色の皮が特徴の、日本ではほとんど市場に出回らない幻の品種だったのでした。

ペルーではアボカドを食べるべし!日本では出回らない「フェルテ種」がすごい

dancyu編集長の藤岡です。
今回の旅ではペルー各地に6泊したのですが、同行メンバーと朝食のビュッフェで何がよかったか話すと、どのホテルでも「アボカド、美味しかったよね」と感想が一致。いずれも何気ないスライスアボカドです。日本でたまに出会える、ベストの熟れ具合の最高にいい状態のアボカドが、ペルーではほぼデフォルトのクオリティなのです。アボカド好きには天国ですよ!

スライスアボカド
リマの「HOTEL B」の朝食ビュッフェのスライスアボカド。写真を撮影したときは左のチーズのほうに注目していたのですが、ついでに写した右のアボカドのレベルの高さにびっくり。
スライスアボカド
アレキパのブティックホテル「Palacio Guaqui by Ananay Hotel」のスライスアボカド。見た目はごく普通ですが、味は抜群でした。
朝食ビュッフェ
「Palacio Guaqui by Ananay Hotel」の朝食ビュッフェ。

ペルー貿易観光投資庁のアンディさんによると、リマには3~4種類のアボカドがあり、その中でも人気が高いのが「フェルテ(Fuerte)種」とのこと。アボカドは中米が原産で、フェルテ種はメキシコ系とグァアテマラ系の交雑種。日本のスーパーでおなじみの、追熟すると皮が黒くなるハス種と違い、フェルテ種は熟しても皮が緑色のままです。食感はとろりとクリーミーで、味わいがとても濃厚。ただ、日持ちせず、皮が傷つきやすいので輸送に向かないそうなんですね。日本でも栽培はされているものの、一般のスーパーにはほとんど出回らないようです。

フェルテ種のアボカドは味がいいので、スライスして塩をかけただけでも十分なくらいです。こんなにいいアボカドが手軽に手に入るのですから、ペルー料理にアボカドを使ったメニューが多いのも納得です。

カウサ リメーニャ
アボカドを使った料理いろいろ。これはリマの「Hotel B」のカウサ リメーニャ(Causa Limeña)。マッシュしたじゃがいもにレモン汁、黄色い唐辛子(アヒ アマリージョ)で味付けをし、玉子やアボカドなどの具材を重ねたリマの伝統的な前菜です。
スライスアボカド
海老の冷菜の上にぴっちり並べたスライスアボカドが美しい。リマのファインダイニング「MAYTA」の一皿。
アボカドサンドイッチ
リマ郊外のレストラン「EL PILOTO」のアボカドサンドイッチ。満足感たっぷりのベジタリアンサンドでした。
アボカドコーナー
リマのスーパー「Wong」で見かけたアボカドコーナー。上が日本でもおなじみのハス種、下がペルーで人気のフェルテ種。フェルテ種は洋梨形をしているのも特徴です。

文・写真:編集部