
ペルーの朝食ビュッフェで、何気なく皿に取ったスライスアボカド。一口食べて驚きました。特に変わった味ではないのですが、バターのようになめらかな食感で旨味が濃く、アボカドとしてのクオリティが高い!聞けば、緑色の皮が特徴の、日本ではほとんど市場に出回らない幻の品種だったのでした。
dancyu編集長の藤岡です。
今回の旅ではペルー各地に6泊したのですが、同行メンバーと朝食のビュッフェで何がよかったか話すと、どのホテルでも「アボカド、美味しかったよね」と感想が一致。いずれも何気ないスライスアボカドです。日本でたまに出会える、ベストの熟れ具合の最高にいい状態のアボカドが、ペルーではほぼデフォルトのクオリティなのです。アボカド好きには天国ですよ!
ペルー貿易観光投資庁のアンディさんによると、リマには3~4種類のアボカドがあり、その中でも人気が高いのが「フェルテ(Fuerte)種」とのこと。アボカドは中米が原産で、フェルテ種はメキシコ系とグァアテマラ系の交雑種。日本のスーパーでおなじみの、追熟すると皮が黒くなるハス種と違い、フェルテ種は熟しても皮が緑色のままです。食感はとろりとクリーミーで、味わいがとても濃厚。ただ、日持ちせず、皮が傷つきやすいので輸送に向かないそうなんですね。日本でも栽培はされているものの、一般のスーパーにはほとんど出回らないようです。
フェルテ種のアボカドは味がいいので、スライスして塩をかけただけでも十分なくらいです。こんなにいいアボカドが手軽に手に入るのですから、ペルー料理にアボカドを使ったメニューが多いのも納得です。
文・写真:編集部