
食いしん坊倶楽部のLINEオープンチャット「山手線!本気の昼飯マップ」で、メンバーから寄せられたランチメニューを深掘りしてお届け。第13回は、新橋『むさしや』の「オムライス」です。
オムライスとオムドライが人気の老舗洋食店。私はいつもオムライスを頼みます。昔ながらのバターとケチャップ感が強いオムライスで、ザ・洋食!といった美味しさ。ミニハンバーグをトッピングすることもあり、これがまたフワフワで柔らかく、絶品。お昼時は行列ができていますが、カウンター席のみで回転が早いので待つのがそこまで苦になりません。
都内有数のビジネス街、JR・京浜東北線「新橋駅」。昼はランチ、夜は居酒屋と、この街で働く人々のオアシスのような店が点在する場所でもある。その中から食いしん坊倶楽部のメンバー・しゅりさんが推薦してくれたのは、ニュー新橋ビルの一画に店を構える『むさしや』だ。
看板メニューの「オムライス1,100円」は、付け合わせにキャベツとスパゲッティがたっぷり盛られた満足度の高い一皿。オムライスのぽってりとした見た目には親しみやすさがあり、卵の黄色と豪快にかかったケチャップの赤い色のコントラストは無性に食欲をそそる。町の洋食の醍醐味を凝縮したようなルックスに、胸が高鳴る。
早速一口食べてみると、バターが香るチキンライスと、酸味のきいたさっぱり味のトマトケチャップ、程よい薄さの卵の一体感がたまらない!目の前にお皿が出てきたときは見た目のボリュームに圧倒されたが、気づけばどんどん食べ進めていた。
付け合わせにスパゲッティがあるのも嬉しい。
「この店のもう一つの人気メニューであるナポリタンとベースはほぼ同じですが、オムライスの添え物なので具なしにしています」
と、店主の鈴木昌樹さん。さっぱりとした味なので箸休めにするもよし、好みで卓上のタバスコをかけてパンチをきかせるのもアリだ。
『むさしや』のオムライスのルーツは、この店の三代目店主の弟が東京會舘や帝国ホテルなどで洋食の料理人をしていたこと。もとは中華など洋食以外のメニューも展開していたが、昭和の高度経済成長期頃にオムライスやナポリタンを始めてみると、それがたちまち人気に。現在も当時のレシピのままつくっているので、見た目は少しレトロで、味はどこか懐かしいのだ。
文:吉田彩乃 写真:伊藤菜々子