食いしん坊倶楽部メンバー限定のLINEオープンチャットの、「日本酒」ルームのメンバーが、「自身の人生でこれぞ最高の一本!」という銘柄について語る連載。第1回は編集部の折敷出の「人生最高の一本」です。
「日本酒はあまり好きじゃない」。dancyu編集部に入るまではそう思っていました。大学生の飲み会で出てくる日本酒は、アルコール感だけが強調されて旨味も香りも感じず、あまりおいしいと思った記憶がありませんでした。
2018年にプレジデント社に入社して、最初の仕事が日本酒特集。全国の酒蔵にひたすらFAXを送ったり、一度に30種もの日本酒を飲み比べたりしているうちに、「あれ?日本酒って味の幅も広いし、お燗やペアリングも出来て面白いかも」と思うようになってきました。
そんな中で、「銀座君嶋屋」の角打ちで出会ったのが「菊姫」。
それ以前にも「菊姫」を飲んだことはありましたが、冬季だけ発売される「無濾過生原酒」はこのときが初めて。一口飲んだ瞬間、力強さもありつつ透明感のある香りと、芯まで響くような強烈な旨味にやられました。「旨いっ!」と一発で心を掴まれ、それからは日本酒にどっぷりハマるように。
振り返ってみれば、このときに飲んだ「菊姫 無濾過生原酒」が日本酒好きになるきっかけの酒でした。今でも、「菊姫」は必ず家に一本ストックしています。
文・撮影:折敷出 陸(編集部)