だしの味わいを堪能するためだけに開店した「空想だし料理店 SIIDA®」。ここは、香りも風味も異なる個性あふれる3種のかつおだしが味わえる空間。酸味とコクのバランスの妙や、まろやかな甘味、スモーキーで芳醇な香りが、だしの概念を覆す。空想店長(と3人の客)たちから繰り広げられる会話の中で、だしの魅力が紐解かれていく。
「だしの新体験」をコンセプトに味の素(株)から発売された、味わいの個性を愉しむ3種のかつおだしパック「SIIDA®」。その3種の個性を堪能するためにオープンしたのが、「空想だし料理店 SIIDA®」だ。まずは店長である野間口徹さんが厨房へ。そこへ、Zeebraさんと和田明日香さん、入江陵介さんの3人が訪れた。最初に野間口店長から、この神出鬼没の店の説明が静かに語られた。
「この店のルールは
1 3種のだしの個性を知る、愉しむ。
2 “だしが主役”の料理を堪能する。
3 皆様も“SIIDA®”で表現する
の3つです」
客である3人は「SIIDA®」を堪能し、そこでひらめいた発想を料理にすべく入れ替わりで厨房に入り、「SIIDA®」を使って料理をしていくことになった。この4人が実際にだしの味わいを語り合い、料理を堪能し合う様子は、こちらの動画でも配信されているのでぜひチェックを。
野間口店長が3人の前に並べたのは、グラスに入った3種の「SIIDA®」。焚〈HUN〉 燻〈KUN〉 酵〈KOU〉と名づけられ、それぞれに個性ある仕上がりになっている。
焚〈HUN〉は、長時間燻製させた「荒節」を贅沢に使うことで、焚き火を思い出させる力強い風味と、コクと酸味のバランスがとれた味わい。
燻〈KUN〉は、その字の如くスモーキーで芳醇な風味と、癖のある個性的な味わいが特長。かつおに当てる煙の量や質を自在にアレンジした製法によるものだ。
酵〈KOU〉は、焙乾したかつお節に、黴付けをして、手間と時間を注いで作り上げる「本枯れ節」をブレンド。発酵と熟成によってうま味が凝縮され、口当たりは甘くてまろやか、かつ、深い余韻が残る。
同じかつおだしでありながら、個性豊かな特徴ある味と香りに驚く3人。「もう、これだけで料理ですね。調味の必要がないくらいのおいしさ」「こっちは風味の余韻が強い」「鼻にぬけるスモーキーさがすごい」と、飲み比べながら感想が止まらない。
飲み比べ後は、それぞれが気に入っただしを使って料理をすることになった。Zeebraさんが選んだのは余韻が長くて、スモーキーな香りが印象的な燻〈KUN〉。熱々のだしをうどんに注ぎ、白髪ねぎをのせ、パルミジャーノチーズを削る。仕上げには、粗挽き黒胡椒をたっぷりと。
「燻〈KUN〉の癖になる個性的なだしの風味が忘れられなくて。合わせるなら、あれこれ考えずにシンプルなうどんがいいなと思ったんですよ」。出された丼を前にした3人からは、その香りの良さに歓声があがる。
「だしにチーズって冒険なのかと思ったんですけど、口にも鼻にも広がる香りが癖になります」と、入江さんは箸が止まらない。野間口店長も「燻〈KUN〉のおいしさが引き立っていますね。合う!」と満足そうに続けた。さらに、酒好きの和田さんから「料理をつくるときは常にお酒のペアリングを考えています。燻〈KUN〉のだしを使った料理には、ウイスキーが絶対合いますよね(笑)」とのコメントが出てきたり、新たな展開が次から次へと止まらない。
続いて和田さんが選んだのは、コク、うま味、酸味のバランスがとれた焚〈HUN〉。
だしそのものを味わいたいから、さっと火が通る鯛しゃぶを選んだ。「だしと食材がそれぞれ引き立て合う組み合わせ。だしの風味が強いので、さっとしゃぶしゃぶするだけでおいしいですよ」と言いながら、鯛とレタスを黄金色に輝くだし汁にくぐらせていく。貝割れ大根やみょうがとともに盛りつけた皿が並んだ。さっそく口にした野間口店長は「うま味のあるだしと淡白な鯛、どちらもしっかり味わえますね」と絶賛。「だしだけで十分おいしい! ポン酢やごまダレはいらないですね。今まで食べてきた鯛しゃぶは何だったんだって感じだな」と感動するZeebraさんの言葉に、入江さんも大きく頷いている。「特別な味つけが必要ないのは、いいだしだからこそです」と和田さんも嬉しそうに答えていた。
最後は入江さんが酵〈KOU〉を使ってだし割り酒をつくることに。酵〈KOU〉の特長は圧倒的なコクとうま味だ。「僕は酵〈KOU〉にまろやかさと余韻を感じました。それが日本酒に合うと思って。だし汁と日本酒の割合は2:1がおすすめです」と、手際良くグラスへ注いでいく。「これは、通な楽しみ方ですね。しみじみおいしくて、一生飲める……」とZeebraさん。和田さんも「だしの味わいがしっかりしていて、日本酒との一体感が抜群!」と、ぐいぐい杯が進む。
そこに野間口店長がすかさずふるまったのは、板わさ。なんとだしをとったあとの節を使っているという。「おいしいだしパックなので、中身ももれなく味わいたくて。簡単にできるおつまみです」と、使い終わっただしパックの中身をかまぼこに挟む。「だしをとった後もうま味が残っていてすごい」と和田さん。入江さんも「だしの香りが加わって、高級感のある一品ですね」と驚いていた。
今回、だしの新しい世界に触れた4人からは、さまざまな感想が飛び交う。「だしを飲んだ瞬間から、作りたい料理が次々に浮かんできました。それくらい個性が際立っていておいしい」と、和田さんから料理家ならではのコメントが出たかと思えば、「だしってホッとするし、落ち着きますね。僕は麺類が大好きなので、スープメインの和風パスタを作ってみたいです」と野間口さんも料理欲を刺激された様子だ。「だしだけでおいしいというのがすごい! 今回いただいた料理は、絶対に家でもつくりたいです」と楽しそうに話す入江さんに続き、Zeebraさんは「完全に新しい体験でした。海外の友達にも、このおいしさを伝えたい」と、だしの魅力にすっかり取り憑かれていた。
3種のだしと、それを使った料理から伝わってくるのは、だしそのものが主役になり得るということ。じつは「SIIDA®」は、だしパックの原料を一般製品の約4倍(※)多く使用している。そのぶん、だしが濃く、味付けをせずとも、だしだけでおいしいという贅沢を味わえる。4人が味わったのは、まさに「だしの新体験」だ。
「だしって、面白い」。そう感じる人を増やして、だし文化を未来に繋げたい。その想いから「SIIDA®」は生まれている。今まで味わったことのない新しいだしをつくるべく、創意工夫が繰り返された。燻す薪を厳選。焙乾の方法の異なる燻し方をする。さらに黴付けをして熟成させる。そんな職人たちの手間と挑戦の末にできたのが、豊かで奥行きのある香りや風味。同じだしでも、個性が際立つのが、その証だ。3種の「SIIDA®」は、だしの奥深さと愉しさを伝えてくれる。だし文化はもっと面白くなる。間違いなく、そう思わせてくれるのだ。
※23年度家庭用だしパック販売規格上位20製品の平均重量比(使用する湯量換算)
東京駅にある「dancyu食堂」では、「SIIDA®」3種の飲み比べセットを、定食を注文されたお客様に各日先着で提供する(すべての定食メニューが対象)。焚〈HUN〉 燻〈KUN〉 酵〈KOU〉それぞれの風味と香りの違いは、飲み比べることでより引き立って感じられるはずだ。「だしの新体験」を味わえるこの機会をお見逃しなく。
編集:出口雅美(maegamiroom) 文:晴山香織 写真:安部まゆみ