味覚は変わる?変わらない?好き嫌いがひどい、料理が下手、メニューを決められない、食べ過ぎる……。dancyu編集長・植野が、dancyu食いしん坊倶楽部メンバーのあらゆる「食の悩み」にお答えします。
僕は脳科学者ではないので、利き手と逆の手で箸を使うことの実際の効能はわかりません。ただ、何らかの影響はあると思います。
実は僕も右利きなのですが、以前から時折左手で箸を持って食べています。最初は何となく左手で持ってみたのですが、慎重に箸を使う(神経を集中させる)ためか、そして箸が、いつもとは異なり唇や口端の左側に当たるという新鮮な感触もあり、味わいを鋭角的に感じられるような気がしています。あるいはカレー蕎麦を食べるときに、より慎重にそーっとつかんで食べるため、カレーが跳ねてシャツに茶色いシミがついてしまうことが減るという効果(?)もありました。
右脳を刺激するかどうかはわかりませんが、日常とは異なる環境や食べ方をすると、より美味しく感じることは確実にあると思います。いつも箸で鮨を食べている人が初めて手で掴んで食べると酢飯のぬくもりや感触を直接感じて美味しく感じると思いますし、おにぎりも部屋で食べるより景色のいい屋外で食べた方がいいのと同じではないでしょうか?
問題は、おおわかさんが慣れない左手で箸を持つことを“ストレス”と感じてしまうことです。持ちにくい、使いにくいと思うのではなく、新しい食べ方に挑戦している、あるいはこれまでにない美味しい感覚を習得できる、と前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。
そして少しでもハードルを下げるために、箸ではなくまずはフォークやスプーンを左手で持つことから始めるのもいいかもしれません。さらに、箸を使わず“手食”をしてみてはどうでしょう。たとえば鮨を左手でつかんで食べてみるとか。これだけでもかなり違った感覚を得られるはずです(ちなみに、手食というとインドなどでカレーを手で食べることを思い浮かべる人が多いと思いますが、ヒンズー教などでは左手は不浄の手なので、左手でカレーを手食するのはやめましょう)。
余談ですが、左手で箸を持っているうちに、普通に使えるようになっていた僕は、昨年右肩の手術をしてしばらく右手が使えなくなりましたが、全く問題なく食事ができました。何が起きるかわからないので、おおわかさんも右脳の刺激のことはひとまず置いておいて、左手でも箸を使いこなせるようにしておいた方がいいと思いますよ。
イラスト:横山寛多 文:植野広生
僕は脳科学者ではないので、利き手と逆の手で箸を使うことの実際の効能はわかりません。ただ、何らかの影響はあると思います。
実は僕も右利きなのですが、以前から時折左手で箸を持って食べています。最初は何となく左手で持ってみたのですが、慎重に箸を使う(神経を集中させる)ためか、そして箸が、いつもとは異なり唇や口端の左側に当たるという新鮮な感触もあり、味わいを鋭角的に感じられるような気がしています。あるいはカレー蕎麦を食べるときに、より慎重にそーっとつかんで食べるため、カレーが跳ねてシャツに茶色いシミがついてしまうことが減るという効果(?)もありました。
右脳を刺激するかどうかはわかりませんが、日常とは異なる環境や食べ方をすると、より美味しく感じることは確実にあると思います。いつも箸で鮨を食べている人が初めて手で掴んで食べると酢飯のぬくもりや感触を直接感じて美味しく感じると思いますし、おにぎりも部屋で食べるより景色のいい屋外で食べた方がいいのと同じではないでしょうか?
問題は、おおわかさんが慣れない左手で箸を持つことを“ストレス”と感じてしまうことです。持ちにくい、使いにくいと思うのではなく、新しい食べ方に挑戦している、あるいはこれまでにない美味しい感覚を習得できる、と前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。
そして少しでもハードルを下げるために、箸ではなくまずはフォークやスプーンを左手で持つことから始めるのもいいかもしれません。さらに、箸を使わず“手食”をしてみてはどうでしょう。たとえば鮨を左手でつかんで食べてみるとか。これだけでもかなり違った感覚を得られるはずです(ちなみに、手食というとインドなどでカレーを手で食べることを思い浮かべる人が多いと思いますが、ヒンズー教などでは左手は不浄の手なので、左手でカレーを手食するのはやめましょう)。
余談ですが、左手で箸を持っているうちに、普通に使えるようになっていた僕は、昨年右肩の手術をしてしばらく右手が使えなくなりましたが、全く問題なく食事ができました。何が起きるかわからないので、おおわかさんも右脳の刺激のことはひとまず置いておいて、左手でも箸を使いこなせるようにしておいた方がいいと思いますよ。
イラスト:横山寛多 文:植野広生