青森の男、畑中司は決して諦めない。目指す味と香りは野生の鴨。採卵から食鳥処理まで一貫して手掛ける“銀の鴨”。著名な多くの料理人から絶大な信頼を得る最高レベルの鴨を消費者にお裾分けする特別企画です。
1985年に畑中農場として、古い品種のバルバリー種300羽で始まった鴨飼育は、1990年に農事組合法人「銀の鴨」を設立するまでになった。しかし、台風で2度の壊滅的被害、ガチョウパルボウイルスで2度の全滅、東日本大震災の長期停電による操業停止など、度重なる危機に見舞われた。
それでも、創業者の畑中は諦めず、唯一無二の凄い鴨肉を創るチャレンジを続け、2017年に理想的な飼育環境のある新郷村に農場を移転した。静寂、清らかな水、真夏でも猛暑にならない気候、山間の緑豊かで農薬が飛来しない安心安全の空気、どれも鴨にとっては素晴らしい環境だ。
“銀の鴨”は採卵(交配から)から食鳥処理まで、全てのプロセスで試行錯誤を続けている。目指すは野生の鴨の味と香り。一番大事なのは血筋(※DNA)であるが、様々な餌を食べて育つ野生の鴨に近づける餌の工夫、太陽光と自然の風を取り込む清水掛け流しの鴨舎内、平飼いの鴨は成長段階に応じて、飼育環境を変えながら、ストレスが極めて少ない状態で育つ。食鳥処理も鴨が苦しまない方法を改良し続けている。
※南米原産マスコビ種をフランスで改良したバルバリー種の改良型(typeR71M)
“銀の鴨”はジビエではないが、食べたらわかる 「これは鴨だ!」 のインパクトがある。野生の鴨を食べたことがなければ、これはジビエだと言えば、信じるかもしれない。それくらい一般的な飼育鴨とは違う。一流料理人が指名買いするのも納得できる。
皮目をカリカリに焼き、身をレアな焼き加減で食べると、その味と香りは「凄い!」の一言。皮の脂は不飽和脂肪酸が豊富、肉の鉄分含有量も圧倒的だから、身体が欲するのは当たり前かもしれない、生命力を強く感じる肉だ。
新型コロナ禍で“銀の鴨”を指名買いしていた飲食店への納品が激減し、消費者に直接届けるビジネスに取り組むことになり実現した、凄い鴨の取り寄せ企画。
ステーキ、鍋、鴨セイロ、たたき、串に刺して焼き鴨、どんな料理でもうまい!
文:(株)食文化 萩原章史