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【至福の缶詰】昭和の味を閉じ込めた、浜名湖うなぎ蒲焼缶詰

【至福の缶詰】昭和の味を閉じ込めた、浜名湖うなぎ蒲焼缶詰

「いつでも、どこでも、極上のうなぎを」。そんな夢を叶えるのが、浜名湖食品が丹精込めて作り上げたうなぎ蒲焼缶詰です。日本一のうなぎ消費地で磨き抜かれた品質、そして熟練の職人技が光るこの逸品は、一口食べれば昭和の時代へと誘う懐かしい味わい。湯煎でふわとろに、酒の肴にも最高な、とっておきの贅沢を体験してみませんか。

日本のうなぎ養殖発祥の地 浜名湖

日本のうなぎ養殖ノウハウを確立した場所と言える舞阪町。天竜川の伏流水と三方ヶ原台地の涵養水を源とする良質で豊富な地下水と、年間平均15度前後の気候が、うなぎ養殖に絶好な環境だったからだ。
120年近く前、服部氏がこの地に目をつけた頃は、後背地から餌となる養蚕サナギが簡単に手に入った上に、浜名湖と天竜川に遡上する稚魚も手短に調達できた。まさに、浜名湖はうなぎ養殖発祥の地であり、日本有数の上質なうなぎ産地でもある。
浜松市のうなぎの蒲焼年間支出額は日本一。産地であり、大消費地であることで、浜名湖うなぎは常に消費者に鍛えられ、高い品質を維持し続けてきた。

うなぎ蒲焼

浜名湖養殖漁業協同組合から上質なうなぎを仕入れる

浜名湖食品は隣の敷地にある漁協から、活のうなぎを仕入れ加工する。
養殖業者から漁協に運ばれた活うなぎは漁協で選別され、清らかな水でストレスをほぐし、泥を吐き、良い状態に整えられる。隣にある工場だから、移動は短時間で揺れなども最小限。そのため、浜名湖食品の加工場のうなぎはおとなしい。
おとなしいから、一気呵成に割かれ、最高の鮮度で加熱と味付け工程に入る。氷締めもしないし、血を洗うこともしない。

うなぎ蒲焼缶詰

最低限の機械と様々な職人技が美味しいうなぎを作る

増改築を積み重ねた工場は、昭和の重厚な機械たちと、様々な職人の経験と勘と技能のコラボレーションで最適化されている。
浜名湖のうなぎ生産量は大産地の鹿児島・愛知・宮崎の数分の一。養殖業者も小規模なため、小ロットのうなぎを最高に仕上げることで差別化をしてきた。うなぎ一尾一尾と向き合い、気温や湿度を考慮し、手で機械を微調整し続けてきたが、機械の寿命が近付き、2025年現在は、存続の危機に直面している。

太平洋戦争中、潜水艦に積まれたと言われる伝説のうなぎ蒲焼缶詰

浜名湖食品のうなぎ蒲焼缶詰の歴史は長い。
昭和9年は世界中が戦争に向かっていた頃。軍人の戦意高揚目的で様々な食料生産が行われた。特に缶詰は輸送が簡単で日持ちもするので、全国各地で缶詰生産が行われた。
中でも、うなぎ蒲焼缶詰はご馳走中のご馳走。実際、今でも十分にうまい。中身は浜名湖うなぎの蒲焼、タレは醤油・みりん・砂糖のみ。甘さ控えめで、増粘剤のトロトロ感とも無縁。昭和のキリッとした味だ!

うなぎ蒲焼缶詰(浜名湖産うなぎ使用)
うなぎ蒲焼缶詰(浜名湖産うなぎ使用)
1缶 100g
2,000円

1枚1枚を油紙で丁寧に包む、今時の缶詰では見られない包装です。そのままでもよいですが、温めてもおいしいです。鍋で沸騰させたお湯の中に缶詰をドボンと入れて約2分。やけどに注意しながら缶切りで開ければ、“ふわとろ”なうなぎの蒲焼が現れます。甘さ控えめ。山椒やワサビでもあればよい酒のつまみになります。昭和の懐かしのご馳走をどうぞ。

文:(株)食文化 萩原章史 写真:八木澤芳彦