絶賛発売中のdancyuムック「dancyu定番シリーズ たまご料理57皿」では、バリエーションに富んだたまご料理をご紹介しています。この本の中でおいしそうなイラストを寄稿してくださった岡田みそさんも、試作に参戦。毎日家族のために料理をするというみそさんが、レシピをみて料理をした感想はどうだったのでしょう。
dancyuWEBに載せてもらうような料理の腕あったかなあと首をひねりつつ、日頃からつくり慣れた料理をアップデートすべく、『dancyu定番シリーズ たまご料理57皿』の中から、オムライス・スパニッシュオムレツ・フレンチトーストの3つにチャレンジすることにしました。料理歴15年、料理の腕は可もなく不可もなく(多分)といったところなのですが、実はあんまりレシピに忠実につくったことはありません。特に卵はいつだって美味しいし、適当につくったって大人も子供も喜ぶ食材だし。普段の適当レシピとそんなに違うかしらねと若干半信半疑モードでしたが、せっかくの機会なので普段の料理とどれくらい違うのか、生まれてはじめて調味料の類も全部きっちり計量してレシピ通りにつくってみました!結果はどうなるやら?
オムライスなら三桁回数はつくったわと最初にトライ。とはいえいつもは薄焼卵を乗せるだけor箸で無理やり包み込むスタイルのため、フライパン包み経験はごくわずか。1回目はフライパンの傾け方が足りず見事撃沈、2回目でなんとか回転!包めました。多少の破れ・ヨレはあっても普段とは違うしっとりよそ行き顔のオムライスに感激。シンプルな材料ですが卵の火加減混ぜ加減から包み方まで何から何まで奥深く、上手に仕上げたい欲がメラメラと湧き上がりました。もちろん味も卵とバターの豊かな香りいっぱいで至福。こんなオムライスが家で食べられるとは。奮発して買った千駄木腰塚のベリーハムもいい仕事してくれました。
下ごしらえした具材を混ぜた段階ですでに最高に美味しそう!ただし具の多さに18cmのスキレットではあふれ出るのでは?と不安になり、普段使いの深型のフライパンでチャレンジ。テフロン加工の寿命なのか、悲しいことに焼き目が焦げついたので途中からスキレットに変更。サイズも丁度よくスキレットの黒が映えてテンションアップ!焦げて剥がれた焼き目も、卵液を途中塗ることで見事修復。スキレットで焼いたおかげで仕上がりはこんがり。ひと口頬張ると大さじ8杯分のオリーブオイルの香りが!普段お酒を飲まない私も久しぶりに飲みたくなりました。
近所のベーカリーで食パンを4cm厚にカットしてもらうところからスタート。大迫力の厚みにこの時点で大興奮!パンが厚いだけでこんなに楽しいとは。前日夜に仕込んだパンのずっしり感に驚きつつたっぷりバターで焼くと、外はカリカリ中はとろとろふわふわ、バニラの香りの高級フレンチトーストの出来上がり。「卵液に一晩も浸したらパンがぐにゃぐにゃになっちゃうじゃん」と長年フレンチトーストはその場で浸す派でしたが、悔しいけど異次元の美味しさあっという間に完食。切り落とした耳もバターとお砂糖で美味しいおやつに変身しました。
正直3品とも「え、今まで食べてたの何?」ってくらいの衝撃の美味しさにびっくり!普段はオムライス一人前は卵1個、フレンチトーストは食パン3枚に対して卵1個、オリーブオイルはちょろり、そんな生活の我が家に「ケチっていたら美味しいものは食べられない」という現実を叩きつけられた企画でもありました。大量のバターやオリーブオイルのカロリーには慄きつつも、こんなに美味しいものが家で食べられるなら全然OKと一人脱ダイエット宣言。作る前は見たことも食べたこともないエスニックなレシピなどにも心惹かれていましたが、普段使いのメニューだからこそレシピの違いがはっきり分かってすごく面白かったです。我が家は来週も日曜朝はフレンチトーストに決定!
文・写真:岡田みそ
各たまご料理の詳しいレシピは、『dancyu定番シリーズ たまご料理57皿』に掲載されています。