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香ばしさが違うフィレンツェ名物"ビステッカ"を堪能「トゥリオ」|大きな肉を食べよう⑤

香ばしさが違うフィレンツェ名物"ビステッカ"を堪能「トゥリオ」|大きな肉を食べよう⑤

南青山のイタリアン「トゥリオ」では伝統的な手法で焼かれる“ビステッカ”が楽しめます。ぜひ香ばしさが一味違うステーキを味わってみてください!

肉焼きの巨匠が待っている

猪狩シェフ
ビステッカの名手として知られる猪狩シェフ。浜松町や渋谷、青山などで店を開くたびに評判となり、魅了されたファンが増えた。
Lボーンの骨は、豪快に斧で切り離す
Lボーンの骨は、豪快に斧で切り離す。

「肉は香りだよ。そのためには焼き切ることが必要なんだ」。分厚いLボーンを焼きながら、猪狩英嗣シェフはつぶやく。肉の状態を確かめつつ、焼ける音を聞きながら何度も裏返してしっかり焼く。肉は北海道の黒毛和牛だが、焼き方はフィレンツェ名物“ビステッカ”の伝統的な手法、そして渋谷や青山と店の場所は変わったが、猪狩シェフが30年以上、頑なに守り続けているスタイルだ。
焼き上がったビステッカは、表面がこんがりと輝き、香ばしい。カットすると、きれいに火が入っているのがわかる赤銅に近い美しい赤色。大きめに切って口に入れると、香ばしさと肉の旨味が層をなして広がる。何もつける必要がない。カリッと焼けた表面の香ばしさが、ステーキの最高の調味料であること、そしてしっかり火が入ってこそ、本当の牛肉の旨味と食感を味わえることを、改めて実感する。

ステーキ専用グリラー
「肉は焼いたほうが絶対に旨い」と語る猪狩シェフは、ステーキを余熱で仕上げることはしない。アメリカはシカゴまで直接買いに行くというステーキ専用グリラーで、何度も返しながらしっかり焼き切る。グリラーは現在三代目。
肉
しっかりとサシが入った北海道産白老(しらおい)牛のLボーンステーキは100g3,888円(写真は400g)。

「ほら、肉はしっかり焼いたほうが旨いんだよ」と、ニヤリとする猪狩シェフの表情は渋谷時代と変わらない。「2年ほど旅に出てた」というブランクを経て3年前にこの地に再オープン。渋谷時代からこの焼き切る旨さの虜になった常連客も、再び集まっている。客も歳を重ねたが、もちろん、全員が必ずビステッカを食べるのだ。

店舗情報店舗情報

トゥリオ
  • 【住所】東京都港区南青山7‐14‐6 南青山TCビル2階
  • 【電話番号】03‐6450‐5957
  • 【営業時間】18:00~22:00(L.O.)
  • 【定休日】日曜
  • 【アクセス】東京メトロ「広尾駅」より8分

文:大石 勝太 写真:海老原 俊之

※この記事の内容はdancyu2018年10月号に掲載したものです。