東京・高円寺にある「カフェ ネージュ」のシュークリームは、注文ごとに溢れんばかりにクリームを詰めるスタイル。蓋になっているサックサクのシュー生地で、クリームをすくって食べてみてください。香ばしい皮と瑞々しいクリームがあなたをアルプスへと誘います!
夏のアルプスの草原が見える!一口食べて浮かんだのは、その言葉だった。大ぶりなシュー皮に滴り落ちそうなほどたっぷりと入 ったクリームはつやつやと美しく、新鮮な牛乳をするりと飲むように瑞々しい。
修業先の方南町「パティスリー・ウー」のレシピを踏襲しつつ、シェフ・パティシエの麻生玲さんが新たにオリジナリティーとして加えたのが、注文ごとにクリームを絞ること。「カフェの調理と同時進行になるので大変ですが、それでも、生地はサクサクで、クリームがフレッシュな状態で提供したい」。カスタードと合わせる生クリームは、乳脂肪分42%と35%の2種のブレンド。コクがありつつ、こってりしすぎないよう加減する。
ちょっとした工夫の積み重ねが、食べた人をアルプスへと連れて行く、独自のフレッシュさを生み出しているのだ。
文:吉田彩乃 写真:竹之内祐幸
※この記事の内容はdancyu2019年4月号に掲載したものです。