明日、どこに食べに行こう?
上品な口溶けとスワン形の優美な姿「欧風菓子 白鳥」|みんなが笑顔になるシュークリーム⑤

上品な口溶けとスワン形の優美な姿「欧風菓子 白鳥」|みんなが笑顔になるシュークリーム⑤

東京・中板橋にある「欧風菓子 白鳥」には、店名にぴったりのシュークリームがあります。姿も個性的で、クリームのとろける味わいも唯一無二。お土産にも喜ばれる、素敵なシュークリームです!

カスタードがすーっと溶ける

「スワン形にしたのは、名字が白鳥だからかな?」と白鳥忠光さん。先代がつくっていた味や形を、素直に、忠実に守り続けている。

優雅なのは、白鳥を模した見た目だけではない。ホワイトキュラソーで香りづけした生クリームと、バニラビーンズをたっぷり使ったカスタードクリームが、まるでシルクのように口の中ですーっと溶けてゆく。気高いようで、上品さと素朴さが絶妙にからまり合って、不思議と親しみやすい。「羽でクリームをすくって食べてもおいしいですよ」と、二代目の白鳥忠光さんは話す。

「銀座凮月堂」に長く勤めた先代が、当時まだ珍しかったヨーロッパの菓子を広めるために開店した。高価でなくていいから良質な材料を選び、絶対に手を抜かないで丁寧に作業すること。それさえ守れば技術は高くなくてもおいしくなる。

スワンが凛として美しく見えるのは、そんな実直な教えが受け継がれているからなのだろう。

ショーケース
菅原文太に憧れ、トラック運転手を経て二代目になった白鳥忠光さんと、母の光江さん。
一つの皮が白鳥一羽に変身。
首のパーツは別に焼く。
断面
現在のシュークリームの価格は280円。
店舗
1966年開店。ショートケーキ400円、チーズケーキ340円。生菓子は常時15種類ほど。チョコレートやバウムクーヘンなど焼き菓子も豊富。

店舗情報店舗情報

欧風菓子 白鳥
  • 【住所】東京都板橋区弥生町31-15
  • 【電話番号】03-3958-4425
  • 【営業時間】10:00~20:00(閉店)
  • 【定休日】水曜
  • 【アクセス】東武東上線「中板橋駅」より20秒

文:吉田彩乃 写真:竹之内祐幸

※この記事の内容はdancyu2019年4月号に掲載したものです。