明日、どこに食べに行こう?
昼からカルビと飯とビールを堪能できる「山水園」|本気で旨い東京焼肉⑤

昼からカルビと飯とビールを堪能できる「山水園」|本気で旨い東京焼肉⑤

大塚にある「山水園」は60年以上続く名店です。昼からやっているので、早めの時間に焼肉欲を解放してはいかがでしょうか?

最強の組み合わせを昼間から

カルビ1,600円は150g。少なめは1,200円。焼き物にはすべて少なめがあるのがうれしい。
創業60年目を迎える。二代目の吉村貞一さんは主に昼番。三代目の勇輝さんが夜を担当する。

焼肉は魔物だ。日中、深夜を問わずその欲望に取り憑かれたら、成就するまで解放されることはない。では半休を取った平日15時、肉欲に取り憑かれたらどうするか......。
大塚に直行である。煩悩から解放してくれる通し営業の極楽があるからだ。注文は「カルビ、ライス、ビール」。ライス&ビールという禁断の呪文が思わず口をつく。どちらもカルビとは極めて好相性なのだからやむを得ない。
ジュウジュウと音を立てるカルビを炭火の上から引き上げ、そのまま口に放り込む。肉の味わいが一瞬凝縮された後、旨味が暴発したかのような錯覚に襲われる。即、肉の脂をゴクゴクとビールで洗う。なんと爽快な瞬間!
次なる一枚はタレにトプッとつける。滴るタレごとライスにのせ、大口を開けて豪快にかっ込む。これぞ至福......。
煩悩は消えた。まだ外は明るい。次はどこへ向かおうか。一欲去ってまた一欲。大塚の夜は始まったばかりだ。

カルビに合わせるべきは、ライスか生ビールか。焼肉人にとっての永遠のテーマも、この店で肉と対峙すれば軽々と飛び越えられる。言うまでもなく正解は「両方」。ライス(中)270円、生ビール中ジョッキ680円。
ここがニクい!
塩と唐辛子で味つけしたミノに店特製の酢味噌をつけるのが常連のガッツ石松家流。多彩なつけダレも、「山水園」の魅力だ。
1958年開店。11時から15時は1,400円でライス、サラダ、スープ、キムチの和牛カルビ定食があるがランチ定食のカルビは小間切れカルビである。

店舗情報店舗情報

山水園
  • 【住所】東京都豊島区北大塚2‐2‐2
  • 【電話番号】03‐3918‐5795
  • 【営業時間】11:00 ~24:00(L.O.)
  • 【定休日】年末年始
  • 【アクセス】JR・都電荒川線「大塚駅」より1分

文:松浦達也 写真:徳山喜行

※この記事の内容はdancyu2017年10月号に掲載したものです。