植野がナビゲートするTOKYO FMの番組「食べるラジオ」(毎週土曜19時~19時30分)が先週からスタートしました。毎回、料理や食材をテーマに“美味しい話”を繰り広げるほか、この「食日記」でも番組内容と関連した話を紹介します。第二回となる放送では本誌の連載「一食入魂」でもお馴染みの小山薫堂さんと「ちくわ」の話で盛り上がりました。
みなさんはちくわをどのようにして食べますか?刻んで酢の物にしたり、おでんに入れたり、きゅうりやチーズを入れてカットすることが多いのではないでしょうか?僕もきゅうりちくわ(ちくわきゅうり?)は大好きなのですが、普通、キュウリを四つ割りくらいにしてからちくわの穴に入れますよね?
しかし、高知では一本まるごと、そのままきゅうりをちくわに突っ込みます!初めて見たときは驚きました。高知のちくわは穴が大きく、弾力も強いので、立派なきゅうりがそのまま入ってしまうのです。現地のおきゃく(宴会)でもつまみとして出るのですが、丸い断面のきゅうりちくわは迫力があります。でも高知の人に言わせると「県外のちくわは穴が小さくてびっくりした」ということになりますが。
試しに、東京で売っているちくわに細めのきゅうりを入れてみたのですが、パツンパツンになって、一部、ちくわが裂けてしまいました。恐るべし、高知のちくわ。
きゅうりやチーズだけでなく、ちくわはいろいろなものに合います。薫堂さんはコンビーフなどを詰めるのも好きですし、薫堂さんの地元・熊本には“サラダちくわ”があります。これはちくわの穴にポテサラを詰めて揚げたもので、やさしい食感がクセになります。
みなさんもちくわの中に何を詰めたら美味しくなるか、番組インスタにメッセージと写真を送ってください!
ちなみに、薫堂さんは「週に8本は食べる」というちくわ好き。特に“ちくわの皮”が好きで、思いを募らせたあまり、愛知・豊橋のヤマサちくわという会社で、皮だけのちくわ「巻子竹輪(かんすちくわ)」をつくってもらいました。外側のちょっと焦げ色がついた部分だけを竹に巻き付けたもので、実際に食べてみると確かにすべて“皮”の味。もはやちくわではなく、別物の食べ物ですが、これは一本ずつ手作業で巻いていくので、結果として高級品になってしまったということです。
そういえば、愛媛や徳島には“皮ちくわ”があります。鯛や鱧の皮だけを竹に巻き付けて焼くもので、以前、徳島の料亭旅館で揚げたて立派な鱧の皮をはぎ、それを炭火で焼いたものを食べましたが、コラーゲンたっぷりで妖艶な美味しさがありました。
つい最近、徳島で皮ちくわの生産が再開されたというニュースが出ていましたが、魚の皮まで食べるというのは、フードロス削減にもつながりますね。
「食べるラジオ」TOKYO FM 毎週土曜19時〜19時30分OA
※ノーカット版はJFNPARKで聴けます。
https://park.gsj.mobi/program/show/50786
「ちくわの中に詰めるもの」など番組へのメッセージはインスタグラム@taberuradioへ
文:植野広生
みなさんはちくわをどのようにして食べますか?刻んで酢の物にしたり、おでんに入れたり、きゅうりやチーズを入れてカットすることが多いのではないでしょうか?僕もきゅうりちくわ(ちくわきゅうり?)は大好きなのですが、普通、キュウリを四つ割りくらいにしてからちくわの穴に入れますよね?
しかし、高知では一本まるごと、そのままきゅうりをちくわに突っ込みます!初めて見たときは驚きました。高知のちくわは穴が大きく、弾力も強いので、立派なきゅうりがそのまま入ってしまうのです。現地のおきゃく(宴会)でもつまみとして出るのですが、丸い断面のきゅうりちくわは迫力があります。でも高知の人に言わせると「県外のちくわは穴が小さくてびっくりした」ということになりますが。
試しに、東京で売っているちくわに細めのきゅうりを入れてみたのですが、パツンパツンになって、一部、ちくわが裂けてしまいました。恐るべし、高知のちくわ。
きゅうりやチーズだけでなく、ちくわはいろいろなものに合います。薫堂さんはコンビーフなどを詰めるのも好きですし、薫堂さんの地元・熊本には“サラダちくわ”があります。これはちくわの穴にポテサラを詰めて揚げたもので、やさしい食感がクセになります。
みなさんもちくわの中に何を詰めたら美味しくなるか、番組インスタにメッセージと写真を送ってください!
ちなみに、薫堂さんは「週に8本は食べる」というちくわ好き。特に“ちくわの皮”が好きで、思いを募らせたあまり、愛知・豊橋のヤマサちくわという会社で、皮だけのちくわ「巻子竹輪(かんすちくわ)」をつくってもらいました。外側のちょっと焦げ色がついた部分だけを竹に巻き付けたもので、実際に食べてみると確かにすべて“皮”の味。もはやちくわではなく、別物の食べ物ですが、これは一本ずつ手作業で巻いていくので、結果として高級品になってしまったということです。
そういえば、愛媛や徳島には“皮ちくわ”があります。鯛や鱧の皮だけを竹に巻き付けて焼くもので、以前、徳島の料亭旅館で揚げたて立派な鱧の皮をはぎ、それを炭火で焼いたものを食べましたが、コラーゲンたっぷりで妖艶な美味しさがありました。
つい最近、徳島で皮ちくわの生産が再開されたというニュースが出ていましたが、魚の皮まで食べるというのは、フードロス削減にもつながりますね。
「食べるラジオ」TOKYO FM 毎週土曜19時〜19時30分OA
※ノーカット版はJFNPARKで聴けます。
https://park.gsj.mobi/program/show/50786
「ちくわの中に詰めるもの」など番組へのメッセージはインスタグラム@taberuradioへ
文:植野広生