カメラマンが、いつかまた食べたい料理
ポルケッタ、フォー、お好み焼き|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

ポルケッタ、フォー、お好み焼き|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

カメラマンの前康輔さん。今、食べに行きたい、会いに行きたい料理はなんですか?と聞くと……。

前康輔さんが食べに行きたいのは――。

イタリア・ローマ「Er Buchetto」のポルケッタ

イタリア・ローマ「Er Buchetto」店内
調理風景
イタリア・ローマ「Er Buchetto」のポルケッタ
小さな小さなこのお店のメニューは確か、ポルケッタとブルーチーズのみ。 アルパチーノ似の静かな店主が、入り口にドンっと置かれた大きなロースト肉の塊 ポルケッタをナイフで削り、パンに挟んでパニーノにしてくれる。そしてニコッとしながらこっちを見てる。その味は、長年この場所で静かに肉を削り続けてきたであろうアルパチーノおじさんのシンプルさそのもので、かっこよすぎて忘れられない。アルパチーノのポルケッタ。「また食べたい」って、「また会いたい」でもあるな。

ベトナム・ハノイ「Pho Thin」のフォー

ベトナム・ハノイ「Pho Thin」店内
調理風景
ベトナム・ハノイ「Pho Thin」のフォー
店の入り口には大きな寸胴鍋から立ち上る湯気が充満していて、しっかり牛骨を煮込んだいい香りが前の道まで漂っている。普段は朝食を食べない僕でさえ、席につく頃にはお腹ペコペコになってしまうようないい香り。あっさりシンプルな出汁に、パンチある牛肉と脂、それを覆い隠すネギ。衝撃的にうまかったなぁ。ほとんどのお客さんが追加で頼むサイドメニューの揚げパンをスープに浸しつつ、それもまた最高。最近池袋に東京店ができたらしいのだけど、その揚げパンがメニューに無いらしく、あれとセットじゃなきゃ嫌!!ということで、また絶対ハノイに行く!

広島・市役所前「もり」のお好み焼き

広島・市役所前「もり」スタッフ
調理風景
調理風景
広島・市役所前「もり」のお好み焼き
広島出身者はみんな、地元の町に自分の行きつけのお好み焼きがあるもので、僕も広島を出るまでは、ほぼ決まった馴染みの店か、母ちゃんの作るお好み焼きばかり食べて育った。しかし数年前にdancyuの取材で行ったこのお店は、これまでさんざん食べてきたつもりのお好み焼きが、僕の中で再び燃え上がるきっかけになったお店。祖母から受け継いだ孫の松岡さんが一人でやっているのだけど、松岡さんがゴルフに行き過ぎてときどき閉まってる……。世界がコロナをやっつけたら必ず行くから!その日はゴルフに行かないで!

写真・文: 前 康輔