カメラマンが、いつかまた食べたい料理
カツ丼、タットリタン、「永楽食堂」|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

カツ丼、タットリタン、「永楽食堂」|カメラマンが、いつかまた食べたい料理

カメラマンの竹之内祐幸さん。今、食べに行きたい、会いに行きたい料理はなんですか?と聞くと……。

竹之内祐幸さんが食べに行きたいのは――。

東京・学芸大学「そば処 大むら」のカツ丼

東京・学芸大学「そば処 大むら」のカツ丼
昔近所に住んでいた時によく通っていた蕎麦屋のカツ丼です。豪華すぎるカツ丼って、僕はなんだか違う気がしていて、でもいつでも食べられる値段でちゃんと美味しいカツ丼てあまりない気がするんですよね。僕は生卵が苦手で、かと言って火が入りすぎていてもダメなのですが、ここのカツ丼は卵の火の入り具合が絶妙です。そして甘めの味付けで、分厚すぎないちょうどいいボリュームのカツと、ごはんのパーフェクトなバランスが最高です。一緒についてくる味噌汁もとても美味しいです。休みの日になると今でも散歩がてら食べに行きます。入口に置いてある漫画を読みながらカツ丼を待っている時間、あーいい休日だという気分になります。

韓国・ソウル「鍾路鶏林マヌルタッ」のタットリタン

韓国・ソウル「鍾路鶏林マヌルタッ」のタットリタン
ソウルには何度も行っていて、人が親切で食べ物も美味しくて大好きな街です。何度も行ってると言いながら毎回道に迷ったり物を失くしたりするのですが、このお店も地下鉄を乗り間違えたりしながらようやくたどり着いたお店です。ニンニクが心配なくらいどさっと載っていて、味付けも辛いけどそれでいてさっぱりした味でとても美味しかったです。旅の疲れがふっ飛んだのを覚えています。現地の人たちはランチでもみんなで鍋を食べていて、面白いなと思いました。また海外旅行ができるようになったら、まずはソウルのここに行きたいなと思っています。

秋田・秋田「永楽食堂」のいろいろ

秋田・秋田「永楽食堂」のいろいろ
何年か前に青森と秋田で泊まりがけの取材があり、それぞれ別の案件だったので一人で奥羽本線で移動することになりました。普段東京に住んでいるからか青森と秋田の距離感が全然わからず、3~40分で着くのかなと思っていたら3時間以上かかることがわかり、そして電車の本数も少ないことに気付いて、青森駅の近くで買った豊盃の一升瓶を抱えながら広い駅構内を走って電車に乗りこみました。「永楽食堂」は青森でご一緒したライターさんに教えてもらいました。秋田に住んでる友人に連絡して一緒に入り、久しぶりに友人に会えた喜びもあってすごく飲み過ぎたのを覚えています。何を頼んでも美味しかったけど、お通しで出てきた温かい豆腐にシラスが乗ったものと、セリのサラダ、ちくわ納豆揚げが特に印象的でした。野菜も魚も、東京じゃ食べられない味だなと思いました。友人もとても気に入って、よく通っているそうで羨ましいです。ここで飲んだ刈穂が美味しくて次の日に酒屋で購入し、青森で買った豊盃と合わせて一升瓶を二本もバッグに入れて取材をしていたら、秋田の取材先の人に「カメラマンさんは大荷物で大変ですね」と言われました。機材はすごく少なかったのに……。後日、どちらのお酒も近所で手に入ることが分かりましたが、重たい思いをして持って帰ってきたのも良い思い出です。

写真・文:竹之内祐幸