一人でも大勢でも楽しめる美味しい日本酒立ち飲みが急増中!0次会から〆の一杯まで、使い勝手も良く、全国の銘酒が数十種類揃っており、少量から楽しめます。そして料理もレストラン級で、リーズナブル。いま立ち飲みは進化しています!
そして、最後の魔物、月島の「つねまつ久蔵商店」へ足を運んだ。ここは、なんというか、今時素敵系立ち飲みの一つの完成型、というべき佇まいである。大谷石の壁の間に構える、大きなヴィンテージの欄間の扉を開くと、巨大な一枚板のテーブルに心を奪われる。
無論、酒は豊富。店主の実家が松江の古い名酒販店だということで、島根の酒をはじめ全国の銘酒が常時80種ほど。スタッフ同士が相談して開発しているという料理も凝っている。
たとえば大人のたまごどうふなんて、雲丹、とびこ、イクラといったプリン体=美味しい物大集合の、大人のパフェみたいな品まである。日本酒はもちろん合うが、日本酒をシャーベット状にしたものをソーダで割ったレモンサワーもしっくりくる。
これは完全デンジャラスドリンクで、すいすいストン系である。さらには酒粕を使っただしで煮込んだ鶏皮なんてつまめば、もう完成。あとは、立って帰れるかどうか、それだけ気にかけて飲めばいい。
4軒目で飲みながら思った。立ち飲みはやっぱり魔物だ。どれも近所にあったら日参必至、立てなくなるまで飲んでしまいそうだ。ただ、立ち飲みという魔物は懐には優しい。だから、心置きなく通ってしまう。これがまた、魔物といえば魔物なのだけれど。
文:加藤ジャンプ 写真:本野克佳
※この記事の内容はdancyu2019年3月号に掲載したものです。