飛んでいきたい、うまい旅
北国のカレーの香りをたどったら、ラーメンだった

北国のカレーの香りをたどったら、ラーメンだった

青森といえば煮干しラーメンが全国的に知られるが、青森市内には「味噌カレー牛乳ラーメン」なるご当地ラーメンがあるという。なんとも香しい雰囲気だが、にわかには味の想像がつかない不思議なネーミングだ。その秘密を探りに、たまっていたマイルで飛んで、食べてきた!

高校生の一言がきっかけだった?謎のラーメン

本州最北端・青森の冬は寒い。せんべい汁やじゃっぱ汁、ひっつみなど、体を芯から温めてくれる冬のグルメにはことかかない。しかし、気軽に食べられるグルメといえば、なんといってもラーメンだろう。海風が吹きすさぶ港町を歩いていくと、「味噌カレー牛乳ラーメン」と記したのぼりが見えてきた。
地元民に「ここが元祖」と教えられて訪れたのは、「味の札幌 大西」。店内はカウンターと座敷があり、町の人に愛されてきた食堂といった雰囲気。ふるきよき昭和の趣に懐かしさを覚えた。ところで、こちらの店名に一つの謎がある。青森なのに、なぜ札幌?ラーメンを待つ間、不思議なネーミングのラーメンの成り立ちを店主の大西文雄さんに聞いてみた。
「私の師匠は、札幌出身のラーメン職人。うちは、今は亡き師匠が昭和43年に青森へ出店した『味の札幌』ののれん分け店なんですよ。青森といえば煮干しだしの醤油ラーメンと相場が決まっていたんですが、師匠がこの地に札幌の味噌ラーメンを持ち込んだわけです」
そして、昭和50年代の同店で妙なブームが巻き起こる。
「中高生のあいだで、いろんな味の組み合わせでラーメンを注文するのが流行りましてね。自宅から持ってきたケチャップやらマヨネーズを合わせる子もおりましたよ。そのなかで生まれたのが、味噌、カレー、牛乳の組み合わせなんです」

味噌カレー牛乳ラーメン880円(税込)。8割の客が注文するという青森市民のソウルフード。

ユニークなご当地ラーメンは、なんと、若者たちの柔軟な発想をヒントに生まれたものだったのだ。大西さんは、「味の札幌」時代に師匠・佐藤清さんの右腕として働いた一番弟子で、味噌カレー牛乳ラーメンのメニュー化におおいに貢献した。そして今もなお、“元祖”といえる味をつくり続けている。

牛乳たっぷりのスープがミルキー!とはいえ、牛乳臭くならない絶妙な加減に感激。

組み合わせの妙で生まれたメニューだということは、つくり方を見れば一目瞭然。丼に、北海道産の白味噌をベースにした特製味噌、カレー粉、そして牛乳を直接どばどばっと注ぐ大胆なスタイル。そこへ、炒めたもやしをスープで煮込んでから丼に注ぎ入れ、麺を入れれば完成だ。
具は、たっぷりのもやし、メンマ、ワカメにチャーシュー。最後にバターをトッピングする。これが、正統派「味噌カレー牛乳ラーメン」。
「牛乳がけっこうな量入るからね、まろやかでしょう」。そう大西さんが言うとおり、濃厚な味噌もスパイシーなカレーの風味も牛乳に包まれて、̚カドのない、なんとも不思議な一体感。牛乳の匂いが決して前面に出すぎることがない絶妙な塩梅だ。豚骨、鶏ガラ、香味野菜、隠し味の昆布をじっくり煮だした濃厚系スープの風味もしっかり感じられるおいしさだった。

県産の牛乳とカレー粉が、味噌の旨味を引き立てる。
サービスの、酸っぱいカリカリ小梅がいい箸休めに。
牛乳にバター。乳製品率が高く、どれも気になる……。
JR青森駅から徒歩10分。飲食店が連なる街中にある。

この味を広めるために、大西さんは平成20年に「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」を発足。現在、青森市内で5店舗が加盟していて、それぞれが王道に沿いながらも独自の工夫をこらした味を提供している。食べ比べてみるのもおもしろそうだ。

「味の札幌 大西」店主・大西文雄さん
「味の札幌 大西」店主・大西文雄さん
大西さん
ルーツは札幌ですが、青森の人はこれを食べて大きくなりましたよ。

足を延ばす価値ありの郊外店は、塩味も美味

次に向かったのは、青森市街から車で15分ほどの場所にあるラーメン専門店「かわら」。ファミリー層にも人気があるという店はログハウス風の温かみある店内で、広々とした厨房はぴっかぴかだ。

味噌カレー牛乳ラーメン850円(税込)。カレーの香りが印象的。

店主の小笠原崇さん曰く、「僕は、味噌カレー牛乳ラーメンの原点『味の札幌』を創業した佐藤清さん最後の弟子です」。中学生の頃に「味の札幌」でバイトをはじめて以来、ラーメン一筋の人生だという。はからずも、一番弟子の「味の札幌 大西」に続けて訪れたのは、最後の弟子の店だった。そしてこちらも「味噌カレー牛乳ラーメン普及会」に加盟している一軒。また同店では、カレー牛乳ラーメンを定番の味噌味のほか、醤油味、塩味も選ぶことができるのがユニークだ。

札幌ルーツのラーメンらしいコシのある麺も美味!

ルーツが一緒というだけあって、具の種類も丼に入れる調味料も「味の札幌 大西」と同じではあるけれど、「かわら」はカレーの香りが印象的。聞けば、味噌とのバランスをはかってスパイスを自家配合しているという。スープは、「味噌の輪郭を際立たせるために」豚骨と玉ねぎだけでとるのが小笠原さん流だ。
麺は、ルーツである札幌ラーメンと同じ中太のちぢれ麺。スープがしっかりと絡んで、モチモチとした歯ごたえが気持ちいい。味噌のコクが広がり、トッピングのバターが溶けてゆくごとにまろやかさが増して、スパイス効果で後味は爽やか。タイの、カレースパイスを使うココナッツミルク入りラーメン“カオソーイ”にどことなく通じるものがあって、ちょっぴりアジアンテイスト。これは、ハマる味わいだ。

「牛乳ラーメン」は味噌、塩、醤油味を選べる。
塩味の牛乳ラーメンもお薦め。さっぱりとした後味。
もやしを豚骨スープとともに煮て丼に注ぐ手法も王道。
店内には小上がりがあり、ファミリー層にも人気。

“変わらない味”を提供し続けたいという想いを「かわら」という店名に込めた小笠原さんは言う。
「味噌カレー牛乳ラーメンは、食べ飽きないのが魅力ですね」。
昨年は、青森空港内に姉妹店をオープン。青森を発つ前にもう一杯味わえば、思い残すことなく帰路につけるだろう。

「かわら」店主・小笠原崇さん
「かわら」店主・小笠原崇さん
小笠原さん
日本のどこを探してもこんなユニークなラーメンはほかにありません!

青森市周辺のみどころを紹介!

青森港周辺には物産館やマルシェなどの観光スポットが点在。船内を見学できる「八甲田丸」も楽しい。
青森ねぶた祭を体感したければ「ねぶたの家 ワ・ラッセ」へ。祭本番に出陣したねぶたの展示は圧巻!
青森市内の「青森魚菜センター」で、北の海の幸とご対面。好きな具材をのせる「のっけ丼」を朝食に。

半世紀近く前に生まれ、青森市民のソウルフードとして親しまれている「味噌カレー牛乳ラーメン」。その味はスパイシーにしてマイルド。どこか学生時代の給食の時間を思わせる、ノスタルジックなおいしさだった。
もともと港町として発展した青森市街は中心地のすぐそばに青森港が広がり、その一帯は「青森ウォーターフロント」と呼ばれる観光スポットになっている。ご当地ラーメンと海沿いの散策を楽しめば、1泊2日の旅でも十分に北国を満喫できる。

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この記事で紹介したお店

「味の札幌 大西」
【住所】青森県青森市古川1‐15‐6 大西クリエイトビル1階
【電話番号】017-723-1036
【営業時間】11:00~21:00(L.O.)
【定休日】不定休

「かわら」
【住所】青森県青森市筒井八ツ橋40‐5 ※青森空港内に姉妹店もある
【電話番号】017‐728‐8330
【営業時間】11:00~20:40(L.O.)
【定休日】火曜

文:安井洋子 写真:森本真哉