【ラ・カーサ・ディ・テツオ オオタ】アマゾンカカオパンに信州豚のローストポークをのせたオープンサンド

祭メニューは！

アマゾンカカオパン 信州豚のローストのせ　1,800円

信州豚の豚バラと肩ロースをつかったローストポークを薄くスライスし、アマゾンカカオを練り込んだパンにのせたオープンサンド。ベースとなるパンは、神出鬼没の幻のパン屋「somewhere bakery」のものを使用。カカオが70％も練り込まれているというパンは、とても香ばしい。そのパンにラグーソースを塗り、パルメザンチーズをかけ一度オーブンで焼き上げたら、ローストポークのスライスとサラダをたっぷりのせて、ナッツとドレッシングをかける。このドレッシングにもカカオの果肉を煮詰めたシロップが入ってる、アマゾンカカオづくしの一品だ。

鶏とバターとアマゾンカカオのスープ　1,500円

骨付きの鶏肉と、ペルーの唐辛子、北信の限界集落の野菜をじっくり煮込んだピリ辛のスープ。仕上げにかけるカカオの甘い香りに、一瞬甘いスープかと思うのだが、食べてみると溶け出したバターと鶏の旨味、唐辛子の辛味がピリッときいた味わいで、不思議な感覚に。ほぐした鶏肉がたっぷり入っているので、飲むというより食べるスープだ。上記のオープンサンドとの相性もいいので、ぜひ一緒に頼んで楽しんで欲しい。

アマゾンカカオジェラート　1,200円

今年もアマゾンカカオのジェラートが登場。写真は2023年提供時のものだが、今年はさらにパワーアップ。ジェラートマシーンも2台に増やし、より多くのお客様に食べていただけるよう準備しています！

【物販】dancyu特製カンカン　5,300円

毎年恒例のdancyu祭特製のクッキー缶を今年もご用意。内容は当日のお楽しみ！会場でしか買うことのできないスペシャルな一品なので、お見逃し無く。

【物販】アマゾンスパイスナッツ　1,300円

アマゾンのスパイスをヘーゼルナッツやアーモンド、ピスタチオに纏わせた、香ばしい一品。そのまま食べてつまみにしても、サラダなどの料理のアクセントに使っても美味！

【物販】キャラメルポップコーン　1,100円

毎年恒例のポップコーン、今年はキャラメルが登場。アマゾンカカオのカカオニブが入ったキャラメルポップコーン。程よい甘さと苦味のバランスがよく、おやつにもお酒にも合うお菓子です。

【物販】アマゾンカカオジャンドゥーヤ2024　1,960円

アマゾンカカオとピエモンテ産のヘーゼルナッツを合わせたジャンドゥーヤです。中にはカカオパルプ（果肉）と山葡萄とヤマモモのピューレが入った、酸味と甘味のバランスが最高の一粒です。濃厚で大粒のスペシャルジャンドゥーヤ、ぜひ味わってみてください。

北信の天然食材でもてなす超個性派レストラン

店主の太田哲雄さん。

19歳で日本を飛び出し、イタリア、スペイン、ペルーの3ヶ国で通算10年以上にわたる料理経験を積んだ太田哲雄さん。イタリアではセレブマダムのお抱えシェフを務め、スペインでは伝説のレストラン「エル・ブジ」の厨房に立ち、ペルーでは国民的トップシェフのアクリオ・ガストン氏に弟子入りし、未知の食材を求めてアマゾンの奥地へも分け入り、と冒険譚に事欠かない。

さらに、アマゾンのジャングルで原種のカカオと運命的な出会いを果たし、2015年の帰国後は、アマゾンカカオの買付・輸入・販路開発を含めた普及活動に邁進。“アマゾン料理人”の異名も取るようになった太田さん。

海外での修業から心機一転、生まれ育った長野県に拠点を移し、2019年に軽井沢にオープンした自身のレストランが「ラ・カーサ・ディ・テツオオオタ」である。そのテーブルで供される料理には、山菜やキノコ、川魚、蕎麦、平飼いの鶏や卵など、地元北信の山の幸がふんだんに使われる。

「山育ちの自分のアイデンティティにつながる食材ですからね。積極的に使いたいし、料理を通じた地域貢献につながればという思いもあります」と太田さん。

店のコースメニューには、里山の恵みを生かした天然食材が主役級の存在感を放つ。というより、“天然食材ありき”のメニュー構成というほうが正しい。
「でも、オール信州に徹しようみたいな気負いは、始めからなくて。食材は一つの点として捉え、自由に、実験的に組み合わせながら、形にしていくのが自分のスタイル。『エル・ブジ』で教わった料理観でもあります」と太田さん。

春はツクシに始まる山菜や、渓流に自生するワサビやクレソンなどの野草。秋はとりどりの色、香り、味わいをもつ天然のキノコ。どれも太田さん自身が山に入り、探して採ってきたものであることが基本。

お客を迎える前のまる2日間を使い、八方を歩いて食材を採り集める。ちなみに、水は季節にかかわらず、毎日往復80分かけて小諸の湧き水を汲みにいく。
「農家の作物も素晴らしいけれど、自分は足を使って採ってきたもの、特に強い生命力を感じる天然の食材を料理し、もてなすことに意義を感じる。アマゾンのカカオと一緒です」と話す太田さん。

「子供の頃は山が遊び場だったから、いつどこに行けば何が生えているのか、感覚的にわかる。山が枯渇しないように、いっぺんに採りすぎず、次の年のために間引く大切さも。だから、採るものがなくなる夏場や、雪のある冬から春先まで、レストランは開けません」

つまり、営業期間は5，6，9，10月の4ヶ月のみ。初年度の営業は1年で12日、近年は少し増えたといっても40日前後の少なさだった。5時間に及ぶコースに迎えられるゲスト数は6名が限度とあって、予約リストは既に2026年まで埋まっている。

「2027年には、レストランを今の場所からさらに山奥に移転しようと思っています。食材が取れる場所に近いところで、レストランを開きたいなと思って」と新たなヴィジョンを語る太田さん。レストランは移転するが、週末のみ食堂営業をしている隣の「MADRE（マードレ）」は今の場所のまま続けていくという。

「ガストロノミーで世界は変えられない。矛盾しているようですけれど、自分はそう思っていて。ファミレスに行く価格帯の料理で提案しなければ、伝えたいことは広がらないし、世界も変わっていきません。レストラン営業のない間、ひたすらお菓子づくりに徹するのも、そうした考えがあってのこと。お客さんをレストランに迎え入れていなくても、『ラ・カーサ・ディ・テツオオオタ』は年中無休なんです」

大らかに開け放たれた“太田ワールド”のダイナミズムを、dancyu祭でもぜひ実感してほしい。

堀越 典子 （ライター）

千葉県出身。武蔵野音楽大学卒業後、ピアノ講師→音楽系出版社→編集制作会社勤務を経て独立。気がつけば、もっぱら酒食部門担当のライターに。dancyuをはじめ雑誌、PR誌、WEB媒体に食・酒・旅まわりの取材記事を寄稿。大好物はスペイン。サンティアゴ巡礼路歩きが15年来のライフワーク。

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