第21回「dancyu Live!キッチン」は、ムック『四季dancyu 2023夏』との連動企画で、中華レシピを得意とする料理研究家・今井亮さんをお迎えしました! 教わったのは、誌面にも登場する「三杯鶏」と「夏のピータン豆腐」、さらに未掲載のスペシャルメニューを追加した全3品。夏野菜を堪能するおうち中華を、たっぷりのコツとともに紹介してくれました。プロのコツが満載の配信は、dancyuのYouTubeチャンネルのアーカイブをご覧ください!
今井さんがまず取りかかったのは、バジルが香る台湾の鶏肉料理「三杯鶏(サンベイジー)」。本来は、醤油、酒、胡麻油を同率で味つけするから“三杯”なんだそうですが、今回はムック用にアレンジしたレシピでつくってくれました。
中華鍋にサラダ油を熱し、縦半分に切ったにんにくをなんと4片分! 生姜、赤唐辛子も加え、それらの香りをしっかり油に移していきます。
「中華料理はオイルが大事。香りを移したおいしい油を鶏肉に吸わせていきますよ」と説明しながら、一口大に切った鶏肉2枚分を投入。続けて合わせ調味料を加え、炒め煮していきます。
「弱火じゃダメですよ。ボコボコ沸かしながら炒め煮することで、油と調味料が対流して乳化しますからね。鶏肉に粉を打たなくても、粘度が出てきてとろ~っとしてくるんです」
なるほど~。ボコボコ沸く具合も、じょじょに粘度が増していく様子もつぶさにわかるのが動画のいいところ。ばっちりポイントを押さえられます。
ほどよく煮詰まったところで、「フィニッシュに向かいますよ」と今井さん。夏が旬のバジルを「ひとつの野菜として使います」と言いながら、中華鍋にどっさり投入してひと混ぜして完成です。フレッシュな緑色が映え、見るからにおいしそう! 進行を務める編集部員たちから「濃い色とは裏腹に優しい味」「いろんな香りがする!」と興奮の声があがりました。
次につくってくれたのは、枝豆と茗荷を加えた「夏のピータン豆腐」。材料すべてを混ぜる和えもの的な一品です。食材を揃えるや、「味がぼやけないよう、豆腐は2時間ほどしっかり水きりしてくださいね。濃厚に仕上がります」ときり出し、終始、今井流のワザを披露してくれました。たとえば、上品な味に仕上がるようピータンの白身はみじん切りにし、黄身は潰して調味料的に用いたり。より食感がよくなるよう、枝豆は薄皮まで取り除いたり。
スピーディに作業する傍ら、視聴者からの質問にも応じる今井さん。「島豆腐でもイケますか?」とのコメントが届けば、「イケますよ! ご当地の豆腐で楽しむのもいいですね。ほかにも、絹と木綿豆腐を混ぜたり、厚揚げでつくってみたりしてもいいと思いますよ」と即答。さらに、具は夏なら焼いたとうもろこしを和えてもいいし、カリッと焼いたバゲットにのせてもおいしいですよとアレンジ法が次から次へ。軽快なトークにも魅了されている間に、目にも鮮やかな一皿が仕上がりました。
そしていよいよスペシャルメニューの番です。最後の最後まで秘密にしていたのは、「初夏を取り入れたチャーハンです!」。主役はなんと、きゅうり。味つけはオイスターソースをベースに、「爽やかな味にしたいので黒酢も入れます」と今井さん。さらに、「軽やかに仕上げたいからご飯はジャスミンライスです」というのだから、期待大。夏らしい素材使いの魅力もさることながら、プロならではの的確なプロセスも目が離せません。
扱いやすいフッ素樹脂加工フライパンで上手にチャーハンをつくるための油の温度感から、具材を入れるタイミング、炒め方(炒めるというより、焼きつけるイメージ)まで、惜しげもなく教えてくれました。画面越しにも、今井さんが理想とする「パラパラ、ふっくら、しっとり」したチャーハンのおいしさが伝わってきて、今すぐにでもマネしたくなります。
詳細はぜひ、アーカイブ動画でチェックしてみてください。ジャスト1時間、夏野菜を楽しむおうち中華のコツが満載ですよ!
次回のイベントも鋭意企画中ですので、お楽しみに!
文:安井洋子 撮影:佐藤侑治