地元・大分の食材を生かしたナチュラルなカレーが評判の「青い鳥∞黄い蜂」が遠路はるばる初出店!海の旨味をぎゅっと凝縮したカレーや希少な日本蜜蜂の生ビーポーレン入りカレー、オリジナル蜂蜜アイテムも販売します。
温泉だけでなくスパイスパレーでも注目される大分県別府。市内にはスパイスカレーの名店が集まり、巡礼地となりつつある。
そんな地に森脇千絵さんがUターンで開いた店が、マクロビオティックの理論を駆使した"重ね煮カレー"と日本蜜蜂の蜂蜜や蜜蝋商品を柱にする「青い鳥∞黄い蜂」だ。店主の森脇千絵さんは大分県の佐伯市生まれ。かつて東京の人気店「青い鳥」でカレーづくりを担当していたから、ご存知の方も多いだろう。
3年前に開いたこの店でも、すべてのカレーにマクロビオティックの陰陽論に基づく“重ね煮”の手法を取り入れている。
「“陰”の素材を下に、“陽”の素材を上にして煮るのが重ね煮の基本。すると素材が互いに影響し合って全体の調和がはかられ、素材の旨味を余すことなく引き出せるんです」
重ね煮カレーには新鮮な地元の食材をフル活用。今回、祭で出されるカレーには大分県の最南端、蒲江湾に浮かぶ屋形島産のヒオウギ貝を選んだ。ヒオウギ貝とはホタテ貝に似た二枚貝。目を奪うのは貝殻の色だ。イエロー、オレンジ、パープルなど彩色したかのようにカラフル。虹色貝というポエティックな名前も持つ貝だ。味はホタテ貝に近いがより濃厚。豊潤な旨味とプリッとした歯触りがスパイス香る重ね煮カレーに生かされる。
地の利を生かしたもう一つのカレーは、希少な日本蜜蜂のビーポーレン入りの重ね煮チキンカレーだ。ビーポーレンとは蜂が蜜を集めるときにつくる団子状の花粉。さまざまな栄養素を含むことから、スーパーフードとしても注目されている。このビーポーレンを生のまま加えたカレーはまさに唯一無二。ほんのり甘味が加わってやさしい味わいに仕上がるという。
でも、なぜ日本蜜蜂に注目を?
「私の祖父は養蜂家で、実家の庭では今も日本蜜蜂を飼っています。日本蜜蜂が飛び交う環境は人間にとっても住みやすい。東京から大分に戻って、自然に寄り添う生き方を考えるようになったんです」
日本蜜蜂は森脇さんにとって自然の象徴。「青い鳥∞黄い蜂」という店名にもその思いが込められている。
蜜蝋でつくったリップバームやクリームなどの蜜蝋製品には地元の野草や花を漬けたオイルが加えられ、ナチュラルな香りにも癒されること請け合いだ。このほか、森脇さん自らが工場に出向いて仕込むレトルトカレーも販売。お土産を買うにも絶好の一店だ。
店舗は八幡朝見神社の参道にあり、インド、スリランカ、ネパールと週ごとにテーマを替えたカレーが繰り出される。
カレーや副菜に使う食材は地元・大分産が中心。実家の畑で採れた無農薬野菜も大活躍している。さらに、カレーを煮込むときには八幡朝見神社の湧水「萬太郎清水」を活用。水を汲みに行くのが朝の日課になっている。
恵まれた環境でつくる森脇さんのカレーはとても自然体。心地よいスパイス感とともにすーっと体に染み込んで心身が整う。その食べ心地はまさに別府の温泉のようだ。
※当日は内容や盛り付けが変更になる場合もあります。
文:上島寿子 写真:伊藤徹也