東京・世田谷を中心に展開する“すごいローカルスーパー”の「信濃屋」がdancyu祭に参戦!バイヤー選りすぐりのワイン(シャンパン)と、自慢のウイスキー、生ビールやソフトドリンクに加え、酒飲み垂涎のおつまみもご用意。信濃屋クオリティをぜひ体験してみよう。
名店40軒超が集結する「dancyu祭」の味めぐりも、まずは、信濃屋お薦めのビールやワイン、シャンパン、ハイボール、絶品のおつまみとともに、食前の1杯から始めてみてはいかがだろうか。
おつまみ部門では、商品開発に絶対の自信をもつ“信濃屋オリジナル”のナッツシリーズが外せない。醤油でコーティングしたミックスナッツ、トリュフオイルで味つけしたピスタチオ、竹炭で黒トリュフに見立てたカシューナッツなど、超のつく個性派が、ぞろぞろ。
「すべて協賛メーカーとのコラボによるPB商品です」と説明するのは、統括本部長の鈴木誠さん。PBの”P”はプライベートというより、プロデュースに近い。
「ナッツなどの食材メーカーだけでなく、塩や醤油のような調味料の生産者、加工業者も自社でセッティングし、1つの商品につくり上げるのが信濃屋オリジナル。ほかではあまり見ない形かもしれません」
目下、ぐんぐんラインナップを増やしているのが、「お酒やワインとも共通する発酵の食文化、微生物へのリスペクトを表現した」という“木桶仕込醤油”シリーズだ。会場でも販売される「木桶醤油のミックスナッツ」は、醤油の甘香ばしさをまとったナッツの旨味、カリッと軽快な新食感が、ビールやウイスキーソーダと最高。
ワイン好きには、店頭でも大人気の「切りたてチーズ」を薦めたい。イタリアからホールで届く24カ月熟成パルミジャーノを、専用のナイフでかち割りにしてパック。切りたてならではの鮮度と風味が、やみつきになる。
創業90年の歴史をもつグロサリーの草分けにして、プロ御用達の酒販専門店。世界のお酒と食品を扱う13店舗のリカーショップを展開し、生鮮部門が充実した直営のスーパーマーケットも都内に3店。ただし、普通のスーパーと言うよりは、やっぱり“酒販が強い”の形容詞をつけたくなる。「信濃屋」とは、そういう店だ。
さらに、おつまみの部にかかる、半端なしの熱量。その源には、「お酒はペアリングありき」という信濃屋の信念があるという。
「単に“アルコールを飲む”域から脱却して、お酒を食べものと一緒に味わい、ゆったりした時間の流れを楽しむ。そんな文化が根付いてほしいという願いもこめて、早くからペアリングを意識した商品開発、売場展開を進めてきた」と話す鈴木さん。
めくるめく喜びを体感したければ、本店であり、ワイン館と食品館が道路を挟んで向かい合う代田店を目指すのが手っ取り早い。
まず、週末の家飲みワインを選びに、2000種類を揃えるというワイン館へ。「現地買い付け、自社輸入の割合が高め」というだけに、なじみの薄い国、知らない産地、初めて聞く醸造所のワインが、あちこちに。カジュアルな1,000円台のワインも手厚いラインナップ。
「最初は手に取りやすいところから、だんだん深みにはまっていただけるように(笑)。手頃な価格帯のワインも、すべて冷蔵のリーファーで管理。輸送コストはかかっても、ワインの入口に立っていただくためには、“リーズナブルでもおいしく”が重要という考えです」
ワインが決まったら、お向かいの食品館へ。ワイン館にも並んでいたオリジナルのナッツ、世界のチーズ、シャルキュトリの盤石の品揃え。さらに、しっとりロゼ色に艶めくテリーヌや、お手頃価格のステーキ肉も発見!色違いのワインを追加しに、再びワイン館へ逆戻り。なんて調子で、まったくキリがない。
「“肉には赤”のような相性から一歩進んで、和菓子とワイン、日本酒とブルーチーズのような攻めのペアリングも提案しています」というから、信濃屋、恐るべし。
2店を回る心づもりなら、デカバッグは必須。時間もたっぷり取って、出かけることをお薦めしたい。
文:堀越典子 写真:伊藤菜々子、岡本寿