日曜は、ちらし寿司をつくる。
【レモン果汁の寿司飯が軽やか!】タコライス風ちらし寿司は、タコライスをつくるよりも簡単で美味しい!?

【レモン果汁の寿司飯が軽やか!】タコライス風ちらし寿司は、タコライスをつくるよりも簡単で美味しい!?

夏に食べたくなるタコライスを、シンプルにつくれて味わいも爽やかなちらし寿司にアレンジ! 休日のランチにパスタをつくるような手軽さで、ちらし寿司をもっと身近に、もっと楽しく味わおうというこの連載。第20回は「タコライス風ちらし寿司」を、マイマイ先生こと料理家の真藤舞衣子さんに教わりました。

毎日こうも暑い日が続くと、沖縄の青い海が無性に恋しくなる……とはいえ、そう簡単には行けないもので。そんな時には沖縄発祥のタコライスでも食べて、スパイシーに気分をリフレッシュしたい。ただタコライスって、タコミート専用のスパイスとかサルサとか用意しなきゃいけない材料が多そうで、いざつくろうと思うとちょっと気が引けてしまったりもして。マイマイ先生、こんなワガママを叶えてくれるような料理ってありませんか?

「わかりました。私がタコライスをミニマルにアレンジした『タコライス風ちらし寿司』をお教えしましょう!」(真藤さん)

タコライス風ちらし寿司!? 思えばタコライスもちらし寿司と似たような構造の料理ではあるけれど、ちらし寿司にするメリットって何かありますか?

「まず、ご飯を寿司飯にすることで普通のタコライスよりも軽やかに食べられるのがいいんです。今回はレモン果汁でつくる寿司飯を合わせるので、よりフレッシュな味わいになります。そして具材としてのせるタコミートも、使う調味料は中濃ソースとクミンパウダー、チリパウダーだけでつくります。さらにもう一点、このタコライス風ちらし寿司にはサルサを使わない(笑)。すごくシンプルな構成なんだけど、満足度は抜群ですよ!」(真藤さん)

「タコライス風ちらし寿司」のつくり方

材料材料 (4〜5人前)

合い挽き肉200g
ミニトマト8個
アボカド1個
ライム1/2個
青唐辛子1本
紫たまねぎ10g(みじん切り)
にんにく1片(みじん切り)
パクチー適量
シュレッドチーズ30g(生食用)
チリパウダー小さじ1
クミンパウダー小さじ1
黒胡椒少々
中濃ソース大さじ3
米油大さじ1/2
★ 寿司飯
・ 米2合
・ 昆布10g(乾燥)
・ 水360ml(米と同量が目安)
A (*1)
 ├ レモン果汁大さじ2(*2)
 ├ きび砂糖小さじ2
 └ 塩小さじ2(*3)

*1 Aはよく混ぜておく
*2 レモンの酸味によって分量を調整する
*3 天然塩は小さじ2、食塩は塩味が強いので半分の量から調整するとよい

1寿司飯をつくる

水、昆布を入れて1時間ほど吸水させた米を炊く。

深めの大皿や大きめのボウルに炊き上がったご飯を移す。Aをよく混ぜてご飯にまんべんなくかけ、団扇などで軽く扇ぎながらしゃもじで切るようにご飯をほぐしていく。粘りが出てしまうので、混ぜ返さないようにするのがポイント。湯気が落ち着いたら扇ぐのを止める。

*寿司飯についてさらに詳しい解説は、こちらをチェック

2挽き肉を炒める

フライパンに油とにんにくを入れてから熱して、香りが立ってきたら挽き肉を加えて炒める。少し焦げ目がつくくらいにしっかりと炒めたら、クミンパウダー、チリパウダーを加えてさらに炒める。中濃ソースを加えてさっと混ぜたら、火から下ろしてバットなどに移す。

挽き肉を炒める

3野菜を切る

アボカドは皮を剥いて種を取り、一口大に切り分ける。ミニトマトは4等分のくし切り、ライムは薄い半月切り、青唐辛子は小口切りにする。パクチーは葉先を摘んでおく。

4皿に盛りつけて仕上げる

寿司飯を皿に広げて、2の挽き肉、シュレッドチーズを少量ずつ満遍なくのせる。

寿司飯が見える部分を埋めるように紫玉ねぎを少量ずつ置いていき、全体の色のバランスを見ながらミニトマト、アボカドをのせる。ライムは立てるように置くと、立体感が生まれて見栄えがよい。青唐辛子、パクチーを散らして、最後に黒胡椒を振りかける。

シュレッドチーズをのせる
完成

皿の上にはメキシコの国旗のカラーと同じく、緑・白・赤が鮮やかに映える。これはもはやタコライスそのものでは? という思いが頭をよぎりつつも、皿からすくって口に運ぶ。程よくスパイシーな挽き肉、トマトの甘酸っぱさ、アボカドとチーズのコク、ライムの酸味、紫玉ねぎや青唐辛子の辛味、パクチーの風味……、旨さは普通のタコライスと比べても遜色ないのだが、美味しさの感じ方は通常のタコライスとまったく異なるのだ。

普通のタコライスは様々な具材が重なるように盛り付けられていて、それを軽くかき混ぜながら食べることで複雑に混ざり合った味わいを楽しむ料理だ。一方「タコライス風ちらし寿司」は盛り付け方の違いもあって、タコライスの旨さを構成する多彩な味覚を粒だって楽しめる。だから、後味がとてもすっきりしているのが面白い。素晴らしいのが、レモン果汁でつくる寿司飯。ご飯自体がフレッシュな酸っぱさを纏っていることで、タコライスを食べる時にたまに感じてしまうもっさりした感覚が皆無だし、白飯よりも具材の多彩な味としっくりと馴染む。これはもう、今後すべてのタコライスのご飯はレモン果汁の寿司飯にするべきだ! と、世界中に提案したくなる相性のよさだ。コロナのような軽い味わいのビールをグビグビと飲みながら、わしわし食べよう。

「今回は少し辛味を効かせた味付けになっていますが、子供も一緒に食べる時はチリパウダーや青唐辛子の量を加減してつくってくださいね」(真藤さん)

最小公約数でタコライスの味わいを表現したような、ミニマルにして抜群に旨い「タコライス風ちらし寿司」。正直に言います。本家タコライスよりも、こっちのほうが好きかもしれない!

小皿に取り分け

教える人

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

真藤舞衣子 発酵研究・料理家

東京生まれ。会社勤務を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『サバの味噌煮はワインがすすむ』(小泉武夫氏と共著、日経BP)、『つくりおき発酵野菜のアレンジごはん』(主婦と生活社)がある。

文:宮内 健 写真:伊藤徹也

宮内 健

宮内 健 (編集者、ライター)

1971年、東京生まれ。音楽誌『bounce』『ramblin'』編集長を歴任し、フリーランスの音楽ライター、編集者として長らく活動している。2010年以降「食」や「酒」に関してもテリトリーを広げ、2018年から2024年まで『dancyu』編集部に在籍。数々の特集記事の企画編集や執筆を手掛けた。