日本酒に合う!韓国つまみレシピ
【韓国在住料理家が教える】極薄にスライスした「冷製ゆで豚(ネンジェユク)」は、にごり酒の熱燗との相性が抜群!

【韓国在住料理家が教える】極薄にスライスした「冷製ゆで豚(ネンジェユク)」は、にごり酒の熱燗との相性が抜群!

甘味や辛味が強くて味の濃いイメージがある韓国料理には、ビールやサワー、韓国焼酎なんかを合わせがち。ですが、実は日本酒に合う韓国料理も多いんです。そこで日本酒をこよなく愛す韓国人料理人に、日本酒に合う韓国料理のつまみメニューを教わる短期集中連載。第7回は、自宅宴会のもてなし料理にもうってつけの冷製ゆで豚を紹介します。

しっかり冷やすのがポイント!

韓国料理で世代を問わずよく食べられる料理のひとつが、ゆで豚。街を歩けば“スユク(ゆで豚)”や“ポッサム(ゆでた牛肉や豚肉を野菜に包んで食す料理)”を提供する食堂を数多く見かけます。基本的に温かいうちに食べることが多いですが、ゆでた豚肉を冷やして食べる“ネンジェユク(冷製ゆで豚)”も、これまたおいしいのです。

今回レシピを教わるのは、ソウルを拠点に世界各国を旅しながら食文化を探究するファン・ジス(黃知授)さん。

「ゆでた豚肉を冷やして、薄くスライスして食べる韓国の家庭料理がネンジェユクです。しっかり冷やすことで旨味を閉じ込め、しっとりとした食感と脂の甘味が一層引き立ちます。温かいスユクとはまた別物の味わいがあるんですよ。ヤンニョム(薬味たれ)を好みでつけて食べることが多いですが、調味料をかけて前菜として供したり、野菜と合わせてサラダ感覚で食べたりと楽しみ方もいろいろ。最近ではおしゃれな酒場のおつまみメニューとして、若い人にも再注目されています」(ジスさん)

ファン ジスさん
旅する料理人、ファン ジス(黃知授)さん。dancyu2024年9月号の韓国料理特集「旅する料理人ジスさんに教わる 韓国の日常つまみ」企画でも、日本の酒と相性抜群な居酒屋料理のレシピを伝授してくれた。韓国国内はもちろん、世界各地の酒場を飲み歩く呑んべえオンニ(お姉さん)でもある。

「ネンジェユクは、韓国ではマッコリと合わせることが多いですが、味わいに共通点が多い日本酒のにごり酒にもばっちり合います。また、熱燗と合わせれば口の中で脂がふわっと溶けて旨味が広がる。燗酒に生ハムを合わせるようなイメージですね!」(ジスさん)

つくるのに少々時間はかかるものの、調理工程自体は実にシンプル。自宅に客を招いた時などのもてなし料理としても重宝しそう。週末にぜひチャレンジを。

“ネンジェユク”のつくり方

材料材料 (4人分)

豚肩ロース肉550~600g(皮付き(*1))
生姜1~2片
焼酎大さじ1(または日本酒)
肉がひたひたにかぶる程度
水量の1%(水1Lに対して10g)
★ ヤンニョム(薬味たれ)
A
 ├ 長ねぎ大さじ1(みじん切り)
 ├ 韓国唐辛子大さじ1(粉)
 ├ 黒胡椒少々
 ├ 砂糖大さじ1
 ├ にんにく小さじ1/2(すりおろし)
 ├ 醤油大さじ1
 ├ 酢大さじ2
 └ 胡麻油小さじ1/2

*1 皮付きでなくても可

1豚肉をゆでる

鍋に水を入れ、パスタをゆでる時の塩加減を目安に塩を加え、生姜を入れて火にかける。沸騰したら豚肉を丸ごと入れ、臭み消しとして焼酎を加える。ふたは開けたまま、強火でゆでる。

豚肉をゆでる
豚肉をゆでる

2ゆでた豚肉の粗熱をとる

12分ほど経ったら火を止め、蓋をしてそのまま1時間おく。

3重しをのせ、冷蔵庫で寝かせる

1時間おいて粗熱がとれたら豚肉を取り出し、水気をよく拭き取る。空気を抜きながらラップでしっかり包み、重しをのせて形を整える。そのまま冷蔵庫で半日~1日ほど寝かせる。

重しをのせ、冷蔵庫で寝かせる
重しをのせ、冷蔵庫で寝かせる
冷やしながら成形するとこんな感じに。

4たれをつくり、肉を薄く切る

ボウルにAを入れてよく混ぜてヤンニョムをつくっておく。食べる直前に、厚さ2~3mmを目安に薄くスライスし皿に盛る。

たれをつくり、肉を薄く切る
たれをつくり、肉を薄く切る
薄くスライスすると、脂の口どけがよくなる。
完成
舌の上でひんやりとした脂が溶けていき、しっとりした肉質の身を噛めば旨味がじゅんと滲み出す。そのままでも十分に旨いが、好みでヤンニョムをつけて食べれば、箸と杯が止まらない!

教える人

ファン・ジス

ファン・ジス(黃知授) 料理家

韓国・ソウル出身。韓国料理の料理人を父に持つ。スペイン料理やヴィーガン料理のレストランなどの勤務を経て独立。レシピ開発や料理教室をはじめ、食に関するプロジェクトを展開してきた。2024年より世界を旅しながら各都市の台所に立ち、そこでつくった料理のレシピをフォロワーに発信している。
Instagram @number_of_cases

文:宮内 健 写真:熊谷直子