
dancyu2025年夏号の特集は「野菜料理」。作家・料理家の樋口直哉さんに「酢の使い方を変えるだけで野菜料理が別次元に旨くなりますよ!」と聞いて、酢の魅力とその使いこなし術を教わりました。第2回は、酢の使い方のひとつ、「油っこさを落ち着かせてくれる」効果を活かした“ラタトゥイユ”のつくり方をご紹介します。
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野菜たっぷりでさっぱりした印象のラタトゥイユだが、「意外と油を使うのでオイリーな料理。温かいうちは気になりませんが、冷たくして食べると油っぽさが気になります」と樋口さん。そこで酢の出番。「油っこさを落ち着かせる働きがあります」。入れるタイミングは仕上げにちょろり。ラタトゥイユはフランスの料理なので、お国柄に合わせてワインビネガーを。今回は赤ワインビネガーを使ったが、白ワインビネガーでももちろんいい。
パプリカ、なす、ズッキーニ。具を別々に加熱し、トマトソースで煮込むレシピは正直ちょっと手間がかかる。けれども、完成したその味はレストラン並み!味にキレがあり、野菜それぞれの輪郭が際立つ感動のおしいさ。それも酢の効果です。
トマト | 3個(約500g) |
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なす | 3本(約250g) |
赤パプリカ | 1個 |
黄パプリカ | 1個 |
ズッキーニ | 1本 |
玉ねぎ | 1/2個(みじん切り) |
にんにく | 2片(みじん切り) |
赤唐辛子 | 1本(種を取り除く) |
トマトペースト | 大さじ1 |
赤ワインビネガー | 大さじ1 |
塩 | 適量 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
パプリカは直火で炙り、黒焦げになったらボウルに入れてラップをかけ、蒸らす。
トマトも直火で表面をさっと炙り、皮を剥き、横半分に切る。ボウルにザルを重ね、そこへスプーンですくった種を入れる。果肉はざく切りにする。
②のトマトの種はヘラで漉し、果汁をためる。
鍋にオリーブオイル、にんにく、玉ねぎを入れ、中火にかける。ぱちぱち音が立ってきたら弱火にし、しんなりするまで炒める。②のトマトの果肉と③の果汁、トマトペースト、赤唐辛子を加え、蓋をして弱火で約15分煮込む。蓋を外し、ヘラで混ぜる。ヘラで鍋の底をなぞると底がしっかり見える程度まで水分を飛ばせばOK。いったん中身をボウルに移して重さを計り、その重量の1%の塩を加え、鍋に戻す。トマトソースの完成だ。
なすは厚さ1cmの輪切りにしてバットに並べる。なすの重さの1%の塩を振り、ラップをして15分置く。
①のパプリカは皮をむき、縦方向に幅1cmに切る。ボウルに入れ、パプリカの重さの1%の塩を和える。
ズッキーニは厚さ1cmに切る。フライパンでサラダ油大さじ1(分量外)を中火で熱し、ズッキーニを並べる。ズッキーニの重さの1%の塩をふり、両面、皮面もこんがりと焼く。
⑤のなすはキッチンペーパーで水気をふく。フライパンでサラダ油大さじ1(分量外)を中火で熱し、なすを並べて両面をこんがり焼く。
④のトマトソースの鍋に、パプリカ、ズッキーニ、なすを加えて中火にかけ、混ぜる。温まったらワインビネガーを加え、ひと煮立ちさせたら完成。室温まで冷めたら食べ頃だ。
作家であり料理家。科学的に料理を考察してレシピに落とし込むのが得意。『料理1日目』(光文社)『読むだけで料理がうまくなる本 定番おかずの最適解、ここにあり!』(オレンジページ)など、独自の視点による調理の基本を詰め込んだ著書多数。
文:安井洋子 写真:徳山喜行