台湾の絶品おうちごはんレシピ
【きゅうりのキューちゃんが決め手】ご飯が止まらない!「きゅうりの漬け物入り蒸しバーグ」

【きゅうりのキューちゃんが決め手】ご飯が止まらない!「きゅうりの漬け物入り蒸しバーグ」

豚挽き肉ときゅうりの漬け物でつくる、ボリューム満点の蒸しおかず。下味をつけて蒸すだけなのに、しっかり味がしみて旨味たっぷり。ご飯との相性が抜群の台湾の家庭料理、家常菜(ジャーチャンツァイ)を台湾料理に詳しい料理研究家の沼口ゆきさんに教えてもらいました。

家常菜こそがおいしい、台湾のごはん

共働き家庭が多く、外食文化が根づいている台湾。家でつくるより安いくらいの手頃な値段でおいしいものが食べられます。なかには三食すべて外で食べるという人も珍しくはありませんが、もちろん家庭料理もちゃんと存在します。

「外食でも家でも、台湾人の食卓の基本はご飯とスープ、それに肉か魚の主菜、そして青菜の一皿。特に家庭でつくるのは、身近な食材を使った味つけもシンプルな料理なので、思い立ったらすぐにつくれるものばかりです」と沼口ゆきさん。

「たとえばスープの具材は、春夏なら筍、あさり、トマト、ゴーヤー、秋冬は山芋、大根などの根菜、かきなど色々ですが、味つけはほぼ塩と胡椒。薄味でごくごく飲める感じ」

主菜も野菜料理も、さっと和えたり炒めたり手早くできるものが主流。それを全部ご飯にのせて食べるのが台湾スタイルです。
魯肉飯も、日本でいう丼物という位置づけではなく、おかずをご飯にのせて食べる、という考え方。そもそも、台湾では取り皿はあまり使わず、お茶碗(ご飯)がおかずを盛る器なのだそう。それだけご飯と台湾のおかずの相性は抜群なのです。

今回は、そんな気軽な家常菜=家庭料理の魅力を沼口さんに教えてもらいました。

“きゅうりの漬け物入り蒸しバーグ”のつくり方

蒸したてをそのままテーブルに供し、汁ごとご飯にかけて食べるのがお薦め。おいしい蒸し汁も残さず平らげるのが、台湾スタイルです。
ポイントはきゅうりの漬け物。台湾では市販の醤油漬けが売られていますが、実は日本では「きゅうりのキューちゃん」がぴったり。

材料材料 (2人分)

豚挽き肉250g(脂の多いもの)
きゅうりの醤油漬け50g
★ 下味
・ きゅうりの醤油漬けの漬け汁大さじ1と1/2
・ にんにく1~2片分(粗みじん)
・ 小ねぎ2本分(小口切り)
・ 砂糖小さじ1/4
・ 酒大さじ2
・ 醤油大さじ1
・ 胡椒少々
・ 胡麻油大さじ1/2
・ 水大さじ1

1肉ダネをつくる

きゅうりの醤油漬けを粗みじんにしてボウルに入れ、挽き肉、下味の材料を加え、ゴムベラで押しつけるようにしながら全体をよく混ぜる。手で混ぜる場合は粘り気が出ないようにする。

肉ダネをつくる

2耐熱性の器に入れる

耐熱性の中鉢に①を入れ、手で平らにならす。ハンバーグのように形づくる必要はない。

耐熱性の器に入れる

3蒸す

鍋の底に布巾を敷いて②の器を入れ、器の高さの半分くらいまで鍋に熱湯を注ぎ入れ、蓋をして20分ほど蒸す。途中、湯が少なくなったら足す。せいろを使ってもいい。

蒸す

4仕上げ

竹串を刺して透明な汁が出れば出来上がり。器を取り出して熱々をテーブルへ。

完成

教える人

沼口ゆき 料理研究家

ル・コルドン・ブルー東京校、リッツ・エスコフィエ・パリ料理学校等で料理と製菓を学び、料理研究家・有元葉子氏に約8年師事した後、独立。台湾料理のおいしさに魅了されて留学したのをきっかけに、飲食店のアドバイザーなどを現地でスタートさせ、東京と台湾・新竹で料理の仕事に携わっている。著書に『台湾調味料 いただきます手帖』(誠文堂新光社)、『初めてなのに現地味 おうち台湾菜』(主婦の友社)などがある。

この記事は『四季dancyu 2024春』に掲載したものです。

四季dancyu 2024春
四季dancyu 2024春
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833482615
2024年3月12日発売/1,200円(税込)

文:松原京子 写真:木村 拓

松原 京子

松原 京子 (フードエディター&ライター)

食をメインとした雑誌や料理の書籍などで企画・編集・執筆を手がける。この業界に入って早うん十年、やれ試食だ試作だ、新しい店ができたんだって、この店の味は残さなきゃ、と外食を続けているうちに体重が増え続け、20代の頃の倍の重さに!(本当に倍の数字です)。一口じゃおいしさなんてわからない、全部食べてこそ真意がわかると思っている。家では真っ当な調味料と安全な食材でつくるシンプルな料理を心がける。