大原千鶴さんの「今宵のあて」
炒めただけでつまみになる、胡麻の香り立つ「炒めわかめ」

炒めただけでつまみになる、胡麻の香り立つ「炒めわかめ」

酢の物やサラダ、味噌汁にしていただくことが多い、わかめ。今が旬の生わかめをゆでたボイルわかめを使うとさっと炒めるだけでも満足できるつまみになるのです。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、あっという間にできる「炒めわかめ」のつくり方とそのコツを教えていただきました。

胡麻の風味に、味わいが濃くふくよかな純米吟醸がマッチ

わかめは、低カロリーで、ミネラルや食物繊維などの栄養分がたくさん含まれた食品です。塩蔵わかめや乾燥わかめは年中いただけますが、2月から4月頃までは、ボイルわかめが手に入ります。

わかめはいろいろな食べ方がありますが、炒めると美味しいお酒のあてになるんです。胡麻の香りで風味が増し、歯ごたえもよく、定番の酢の物や味噌汁のわかめとは違う美味しさが生まれます。

つくり方はいたって簡単。茎に近い部分と広がった葉の部分を分け、大きさを揃えて切ったら、あとは炒めるだけです。

お酒は日本酒を選びましたが、しっかりとした胡麻の風味とわかめの磯の香りを引き立てくれる、味わいが濃くボリューム感のある純米吟醸雄町がお薦めです。

炒めわかめのつくり方

材料材料 (2人分)

ボイルわかめ80g
胡麻油大さじ1/2
醤油大さじ1/2
かつお節適量(1~2g)
煎り胡麻少々(白)
粉唐辛子少々(韓国産、中挽きのもの)

1切る

わかめはさっと洗って食べやすい大きさに切る。

切る
切る

2炒める

フライパンに胡麻油を入れて中火にかけ、①を入れて炒める。油が全体になじんで温まったら、醤油とかつお節を入れてからめ、すぐに火を止める。

3仕上げる

器に盛り、白胡麻と粉唐辛子をふる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。