大原千鶴さんの「今宵のあて」
野菜本来の味を楽しむ、浅漬け風「冬の野菜マリネ」

野菜本来の味を楽しむ、浅漬け風「冬の野菜マリネ」

肉や魚の料理の合間に、リセットしてくれる野菜の一品。マリネは日持ちするので常備菜として楽しめ、ドレッシングがあれば少量でも手軽につくれます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

甘酸っぱいマリネにじんわり染み入るシェリー

最近は、年齢もあってか野菜をあてに呑むことが多くなりました。なかでも好きなのが、ゆで野菜のマリネ。ゆがいた根菜を甘酸っぱい玉ねぎドレッシングで和えたもので、浅漬け感覚で楽しめます。

野菜はひと鍋でゆでるとつくりやすく、加熱に時間がかかるものから順番に入れていきます。ゆがいた野菜は水にとると水っぽくなるので、水気をきった熱々にドレッシングをかけ、混ぜ合わせます。こうすると味がよく浸透し、一晩置くと、味がしみて格段に美味しくなります。ピクルスよりも野菜本来の味が感じられ、カリフラワーを大根やかぶ、れんこんに代えてつくっても。

いろいろなお酒に合いますが、ミネラル感や酸味のあるドライシェリーのストレートがお薦めです。ロックやソーダ割りもいいですね。

冬の野菜マリネのつくり方

材料材料 (2人分)

★ 玉ねぎドレッシング(つくりやすい分量・冷蔵庫で約1ヶ月保存可)
・ 塩大さじ1
・ 米酢90ml
・ みりん90ml(煮きっておく)
・ 胡麻油90ml(白 ※)
・ 玉ねぎ45ml(すりおろす)
カリフラワー 200g
にんじん50g
紫玉ねぎ30g

※米油で代用可

1玉ねぎドレッシングをつくる

ボウルに塩、米酢、みりんを入れてよく混ぜ、胡麻油と玉ねぎを加えて混ぜ、清潔な保存容器に移す。

2野菜を切る

カリフラワーは小房に切る。にんじんは皮をむいて1cm幅に切り、紫玉ねぎは3cm幅のくし形切りにする。

3野菜をゆでる

鍋に②のにんじんを入れ、かぶるくらいの水を加え、中火にかける。沸いたら火を弱め、2分ゆで、②のカリフラワーを加えて蓋をする。時々混ぜながら竹串がスッと通るまで3~4分ゆでる。②の紫玉ねぎも加えて1分煮る。

野菜をゆでる

4和える

ザルに上げて水気をよくきり、熱いうちに①を大さじ4加えて和える。

5冷蔵する

冷めたら冷蔵庫で一晩おく。冷蔵庫で5日間保存可。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。