大原千鶴さんの「今宵のあて」
下粉と薄衣でカリッと揚がる失敗知らずの「白ねぎと桜海老のかき揚げ」

下粉と薄衣でカリッと揚がる失敗知らずの「白ねぎと桜海老のかき揚げ」

かき揚げは、揚げている途中にバラバラになってしまったり、中まで火が通らずに重たい仕上がりになってしまったりと、意外と難しい揚げ物ですが、簡単なコツを押さえるだけで、失敗せずにつくることができます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、その作り方とコツを教えていただきました。

揚げ物の後味をすっきりリセットする柑橘果汁氷のサワー

かき揚げはギリギリ具が繋がっている薄衣が理想です。バラバラにならないようにするには、具材に下粉をつけてから衣と混ぜ合わせること。下粉は全体が白くなるように満遍なくまぶし、衣用の粉は糊代わりなので水でよく溶いておきます。

揚げ油に入れたら触らないのもポイントで、表面が固まったら箸で上下を返します。白ねぎは焦げやすいので油の温度は170℃に。揚がり具合を見ながら温度を加減するとよいでしょう。

お酒は口の中の油をリセットしてくれる柑橘果汁のサワーがお薦めです。通常は柑橘を搾り入れますが、こちらは柑橘果汁をシリコンの製氷器に入れて凍らせた柑橘氷。こうすると時間が経ってもサワーが水っぽくならずにすみます。柑橘がたくさんあるときにまとめてつくっておくと便利ですよ。

白ねぎと桜海老のかき揚げのつくり方

材料材料 (2人分)

白ねぎ※1本(100g)
桜海老大さじ1
小麦粉大さじ1(下粉用)
★ 衣
・ 小麦粉大さじ1
・ 水大さじ1
米油適量
少々

※白ねぎは長ねぎの白い部分

1白ねぎを切る

白ねぎは1cm幅の小口切りにする。

2衣をつくる

衣の材料をよく混ぜ溶く。

3混ぜる

ボウルに①と桜海老、小麦粉(下粉用)を入れて全体をよく混ぜてから、②を加えて混ぜ合わせる。

混ぜる

4揚げる

揚げ鍋に米油を入れ、中火にかけて170℃に熱し、スプーンで③を一口大ずつすくって入れ、揚げる。表面が固まってきたら、箸でやさしく返しながら2分間ほど揚げ、油をきる。

5仕上げる

器に盛り、塩をふる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。