家どんぶりのおいしい基本
どんぶりの王道"親子丼"

どんぶりの王道"親子丼"

鶏肉、卵、ご飯が渾然一体となって、口の中に幸せを呼び込みます。親子丼はシンプルな料理だけに、小さな手間が「もっとおいしく」のカギ。簡単、おいしい、栄養たっぷりのどんぶりレシピを料理研究家の田口成子さんに教えてもらいました。

“親子丼”のつくり方

卵は2回に分けて加え、口に入れたときに優しさを感じるように火を通します。
鶏肉は霜降りにしてから煮ると、たれが洗練された味に仕上がります。

材料材料 (2人分)

3個
鶏もも肉1/2枚(150g)
玉ねぎ1/2個(100g)
三つ葉1/2束(25g)
★ 煮汁
・ だし汁*2/3カップ
・ 醤油大さじ2
・ 酒大さじ2
・ 砂糖大さじ1
・ みりん大さじ1
温かいご飯2人分

*かつお節でとったもの。

1鶏肉の下ごしらえ

鶏肉は冷蔵庫から出して常温にもどし、余分な皮、肉からはみ出した脂肪を取り除く。

鶏肉の下ごしらえ
雑味がなく、すっきりとした味のたれをつくるためです。

2切り込みを入れる

肉の厚い部分に切り込みを入れて開き、厚みを等しくする。

切り込みを入れる
口当たりが均一になります。

3筋切りする

白い筋に浅い切り込みを入れる。

筋切りする
筋切りをすると、肉が縮むのを防げます。

4そぎ切りにする

幅2cmの棒状に切り、向きを変えて2cm角のそぎ切りにする。

そぎ切りにする
繊維を斜めに断つように切ることによって、口当たりがやわらかくなります。

5下ゆでする

鍋に湯を沸かして塩少々(分量外)を加え、鶏肉を入れる。表面が白っぽくなったらザルにとり、水気をきる。

下ゆでする
鶏肉は下ゆで(霜降り)してくさみを取ります。

6野菜をカットする

玉ねぎは横半分に切って縦方向に幅7~8mmに切る。三つ葉は長さ2cmに切る。

野菜をカットする

7卵を溶く

ボウルに卵を割り入れ、菜箸を立てながら切るようにしてほぐす。

卵を溶く
こうしてほぐすと、泡立ちと混ぜすぎが抑えられます。混ぜすぎると卵のコシがなくなり、ふんわり仕上がりません。

8煮汁をつくる

フライパン(直径22cm)に煮汁の材料を入れて煮立てる。

煮汁をつくる

9鶏肉を加える

鶏肉と玉ねぎを入れ、蓋をして中火で煮る。沸騰したら弱火にし、7~8分煮て火を通す。

鶏肉を加える

10溶き卵を加える

蓋を取り、中火にして溶き卵の2/3量をフライパンの中心から周囲に向かって回し入れる。

溶き卵を加える
溶き卵は菜箸を少しずつ伝わらせながら、「の」の字を描くように加えます。

11三つ葉を加える

三つ葉を散らす。

三つ葉を加える

12残りの溶き卵を流し入れる

卵の一部が固まり始めたらすぐに、残りの溶き卵を同様に流し入れる。

残りの溶き卵を流し入れる
卵を2回に分けて流し入れることによって、ふんわりとやわらかさを残した食感に仕上がります。

13仕上げ

ひと煮し、火を止める。

仕上げ
卵に火が通り始めたら火を止め、あとは余熱で火を通します。
完成

教える人

田口成子 料理研究家

田口成子 料理研究家

料理学校講師から料理研究家として独立し、懐石料理店で日本料理、イタリアでマンマの味、インド婦人の下でカレー料理など、各国の料理を精力的に学ぶ。その好奇心はとどまるところを知らず、家庭菜園を10年間行なって野菜を研究するほか、魚への興味が高じて『おさかなマイスター』を取得。現在は、食育にも取り組んでいる。

この記事は『技あり!dancyuどんぶり』に掲載したものです。

技あり!dancyuどんぶり
技あり!dancyuどんぶり
A4変型判(88頁)
2019年10月29日発売/880円(税込)

文:遠田敬子 写真:白根正治