大原千鶴さんの「今宵のあて」
甘くて香ばしくてトロ〜リ美味しい「焼き白菜 明太卵黄ソース添え」

甘くて香ばしくてトロ〜リ美味しい「焼き白菜 明太卵黄ソース添え」

鍋物や煮物、炒め物などに重宝する白菜ですが、知らず知らずのうちにマンネリになっていませんか。白菜本来の美味しさを味わうなら、シンプルな調理がお薦めです。今回ご紹介するのは、焼いただけとは思えない味わい深い「焼き白菜」!お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

卵黄ソースは明太子がアクセント。白ワインでスキッと味わう

今が旬の白菜は、みずみずしくて、加熱するとしっとりとして甘味が増し、思わず唸ってしまう美味しさ。その持ち味をより味わっていただけるのが、この焼き白菜です。

つくり方は簡単!白菜に塩をふってフライパンで蒸し焼きにするだけで、油も調味料もいりません。大事なのは火加減と動かさずに焼くこと。初めは強火で焼いて焼き目をつけ、こんがりと焼けたら返し、このタイミングで火を弱めて中火にします。最初から火が弱いと焼いているうちに白菜から水分が出てビシャビシャになってしまい、香ばしく焼けないんです。白菜の個体差もあるので火力は様子を見ながら調整してください。

焼き白菜だけでも美味しいのですが、明太卵黄ソースでいただくと俄然白ワインが欲しくなります。シンプルに白菜そのものの美味しさを噛みしめるもよし、ソースをたっぷりからませて味わうもよし。お好みの味を探りながらお楽しみください。

焼き白菜 明太卵黄ソース添えのつくり方

材料材料 (1~2人分)

白菜250g
ひとつまみ
★ 明太卵黄ソース
・ 明太子10g
・ 卵黄1個

1白菜を焼く

フライパン(フッ素加工したもの)に白菜を入れて強火にかけ、塩をふって蓋をして6分ほどこんがり焼き色がつくまで焼く。片面が色よく焼けたら、裏返して火を中火に弱め、もう一度蓋をして4~5分白菜がしんなりとするまで焼く。

白菜を焼く
白菜を焼く

2ソースをつくる

明太子の薄皮を取り除き、卵黄と混ぜる。器に盛った①に添える。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。