シンプルなおひたしも、青菜のゆで方、切り方、絞り方を丁寧につくると、とっても美味!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
おひたしゆでてかつお節をのせて醤油をかける、という簡略化されたおひたしではなく、本来のだし汁に浸して味をなじませてつくるおひたしは、しみじみとおいしさを感じます。まずは青菜のゆで方からマスター。
ほうれん草 | 1束(200g) |
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ほうれん草をゆでる塩 | 小さじ1/2 |
★ 浸し汁 | |
・ だし汁 | 1カップ |
・ 味醂 | 小さじ1 |
・ 醤油 | 大さじ1と1/3 |
糸削り節 | 適量 |
ほうれん草は根元の先を少し切って、切込みを入れる。
たっぷりの水に浸して茎の間の泥などを落とし 、シャキッとするまで10分ほどおいて水あげし、水気をきる。
たっぷりの熱湯(6~7カップ)に塩を入れ 、ほうれん草の1/3量(2~3株)を根元から入れる。葉も湯につけてひとゆでする。
冷水にとって冷まし、残りも同様にする。一度にたくさんゆでると、葉が重なっている部分などの火の通りが悪く、均一にゆでられない。
ほうれん草の根元を上に持って、上から水気を絞っていく。
長さ3~4cmに切り、さらによく絞る。こうすると水っぽくならない。
ボウルに浸し汁の材料を合わせて入れて混ぜ、ほうれん草をほぐしながら入れる。
ほうれん草を浸して冷蔵庫で冷やして味をなじませる。この状態で2~3日は保存可能。器にほうれん草を盛り、浸した汁を注ぎ、糸削り節を天盛りする。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の は」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:鈴木泰介