香りのよい木の芽をたっぷりと使って、シンプルな和え物も季節限定のスペシャルな一品に。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
春の味覚を存分に味わえる一品。水煮した筍を使う場合は、たっぷりの湯に入れて煮立ってから約30秒ゆでるという下ごしらえをしておくと、独特の臭みもなく、すっきりした味に。合わせだしで煮浸しにし、乾煎りしてから木の芽味噌で和えますが、木の芽はできれば摘みたてをたっぷりと使うと風味が格段に上がります。だしに浸して半日、和えてから一晩ねかせることもポイント。平らな皿より深さのある鉢のほうが盛りやすく、片口だと流れができるので、よりバランスがとりやすいはず。
筍 | 200g |
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A | |
・ だし | 1/2カップ(鰹と昆布) |
・ 酒 | 大さじ1 |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
★ 木の芽味噌 | |
・ 白味噌 | 100g |
・ だし | 大さじ2(鰹と昆布) |
・ みりん | 大さじ1/2~1(味噌の甘味で調整) |
・ 卵黄 | 1個分 |
・ 木の芽 | 40枚 |
筍は1.5cm角に切り、Aとともに小鍋に入れて中火にかける。沸騰したらごく弱火にし、キッチンペーパーで落とし蓋をして、10分(水煮を使う場合は3分)煮て火を止める。粗熱が取れたら冷蔵庫に2時間~半日ほど置き、味を含ませる。
小鍋に白味噌とだし、みりんを入れて弱火にかける。焦げやすいので木ベラで常に手を動かしながら混ぜ続け、ふつふつと煮立ってきたら火からおろし、卵黄を加えて手早く混ぜる。ボウルにうつして粗熱を取る。木の芽をよくあてたすり鉢に加えて、さらにすり混ぜる。
筍の水気をきり、小鍋で乾煎りをして水分をとばす。熱いうちに2の半量で和え、一晩ねかせる。
味をみて足りなければ、2をさらにからめる。器に盛り、木の芽(分量外)を飾る。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 春のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也