豊潤な香りが漂うコーヒーゼリーです。ゼラチン少な目でつくるので、一般的なものよりやわらかな食べ心地を楽しめます。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
アンティークのカクテルグラスが好きで、いくつか持っています。本来はシュリンプカクテルみたいな前菜を盛るためのものかもしれませんが、デザートやアイスクリームなどを盛っても素敵。ステムはごく細く、全体的にとても薄手で繊細なところに、職人の手仕事を感じます。コーヒーゼリーは限界ぎりぎりのゼラチン量なので、飲めるくらいやわらかな仕上がり。
コーヒー豆 | 30g(深煎りか中深煎り) |
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ゼラチン | 1.2g |
砂糖 | 15g |
生クリーム | 適量(乳脂肪分軽めのもの) |
※黒糖をふってもおいしい。時間がたつとかたくなるので、当日中に食べること。甘さをさらに控えめにしたいときは、ゼリーの砂糖の量を13gまで減らしてもいい。
コーヒー豆を挽き、ドリッパーにセットする。沸かした湯を1滴ずつ落とす感覚で、じっくり時間をかけてコーヒーを淹れ、150ml用意する。
小さなボウルに水8gを入れ、ゼラチンを素早くふり入れ、すぐに竹串で全体をよく混ぜる。5分以上おく。
1のコーヒーの50mlと砂糖を小鍋に入れ、中弱火にかける。鍋を回しながら加熱し、砂糖が溶けたら火を止める。少量を2のボウルに注ぎ、ゼラチンを完全に溶かす。溶けたら鍋に戻し、よく混ぜる。
コーヒーの残りを加えてよく混ぜ、茶こしでこしながら密閉容器に注ぎ入れる。気泡にキッチンペーパーを当てて取り除く。冷蔵庫で3時間以上冷やす。
生クリームに砂糖少々(分量外)を入れて軽く泡立てる。好みの量を、固まったゼリーの上にのせる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「夏のレシピ」に掲載したものです。