食への愛が溢れるフランスの家庭料理
素材の味わいを楽しむ"アスパラガスの前菜"

素材の味わいを楽しむ"アスパラガスの前菜"

フランス人にとって、春を告げる野菜といえばアスパラガス。ゆでて卵黄のソースをかけるだけのシンプルなひと皿だからこそ、アスパラガスの味わいが際立ちます。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“アスパラガスの前菜”のつくり方

フランスの食事スタイルは前菜と主菜の2皿構成が基本。主菜で肉や魚料理を食べることが多いので、前菜は季節の野菜や乳製品、加工肉を使ったサラダや焼き物、滋味深いスープなどがよく登場します。
春ならアスパラガスやグリーンピースに、卵黄のソースやポーチドエッグなど卵を添えて、見た目にも春らしく軽やかに。キッシュも定番です。主菜の味わいや手間とのバランスを考えながら楽しみましょう。

材料材料 (2~3人分)

グリーンアスパラガス6~9本
卵黄2個分
生クリーム100ml
アスパラガスのゆで汁大さじ1
小さじ1/5
パルミジャーノチーズ大さじ2(すりおろし)
セルフィーユの葉適量

※ソースを湯煎するため、小鍋と、その上にちょうどのるサイズのボウルを用意する。

1下ごしらえ

アスパラは、根元を手で曲げてポキッと折れる部分で折り、かたい部分を取り除く。まだ表面に筋張ってかたそうな部分があれば、ピーラーで皮をむく。折った口を包丁で切り揃え、包丁で穂先近くまではかまを取り除く。

2ゆでる

アスパラがまっすぐ入る鍋にたっぷりと湯を沸かし、湯量の3%の塩(分量外)を入れる。アスパラを入れて2分ほどゆで、ザルに取り出す。ゆで汁はすべて捨てずに大さじ1ほどとりおく。

3仕上げ

小鍋に湯を沸かす。ボウルに卵黄、生クリーム、塩、2のゆで汁を入れて小鍋の上にのせ、泡立て器で撹拌する。気泡を含んでもったりとしたソース状になるまで混ぜ、卵黄に火が通ったら鍋から下ろし、パルミジャーノチーズを加えて混ぜる。味をみて足りないようなら塩(分量外)でととのえる。器にアスパラを盛り、ソースをかけ、セルフィーユの葉を添える。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。