東京・小川町にあるとんかつの名店「ポンチ軒」は、アジフライも絶品です。その美味しさの秘密を教えてもらいました。『日本一ふつうで美味しい植野食堂by dancyu 公式レシピブック』から、お薦めレシピを大公開!
「ポンチ軒」はとんかつが名物ですが、アジフライも抜群に美味しい。店主の橋本正幸さんに美味しさの理由を伺うと、①目が澄んで体がふっくらしている鮮度のいいアジを選ぶ②軽やかなコクが加わるラードで揚げる③皮と身の間の脂が焦げて身が縮みやすいため、皮目を上にして揚げる――がポイントだそうです。さらに、アジを背開きにすることで腹開きより大きくなるので、見栄えがよくなるとか。見た目も味のうち。プロの料理人は客に美味しく食べてもらうために、いろいろ工夫するのですね。
アジ | 1尾 |
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塩 | 少々 |
胡椒 | 少々 |
キャベツ | 適量 |
ラード | 適量 |
【衣】 | |
・ バッターミックス | 適量 |
・ 卵 | 適量 |
・ 生パン粉 | 適量(粗め、通常より糖分と塩分が低いものが好ましい) |
包丁の背でアジのウロコを取る。
ゼイゴ(尾のつけ根から腹近くまであるトゲ状のウロコ)を落とす。胸ビレのところから斜めに包丁を入れ、頭を落とす。腹を切り開き、内臓を出す。血合いを残さないように水洗いし、水気を拭き取る。背ビレの少し上に1cmほどの切り込みを入れる。手でアジを押さえて、骨に沿って尾に近いところまで包丁を入れる。両側の身を剥がしたら、中骨を切り落とす。
開いた身に残っている骨をトゲ抜きで取り除く。
アジに塩と胡椒をふり、下味をつける。
バッターミックス、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。粉をしっかりまぶして余分な粉ははたいて落とす(ムラが出ないように)。溶いた卵にくぐらせ、余分な卵をきる。アジをしっかり開いて、パン粉をかぶせて、軽く押す。
鍋でラードを180℃に熱する。
アジは背を上にして鍋に入れ、60秒くらいで一度ひっくり返す。その後30秒くらいしてきつね色になったら取り出す。取り出した後、1分ほど揚げ網に休ませ、余熱で火を入れる。
せん切りにしたキャベツとともに器にのせて、完成。
文:植野広生