鶏つくねの優しい旨味と甘辛いたれが、ゴーヤー特有の苦味と絶妙にマッチします。ちょっと苦味が苦手という人にもお薦めです。シンプルに焼いて、さっぱり和えて、豪快に炒めて、と夏野菜の旨味を最大限生かした、植松良枝さん直伝の直球料理をご紹介します。
ゴーヤーの種とワタを取り除いたくぼみに挽き肉だねを詰めて焼きます。
甘辛いたれを全体にからめると、ゴーヤーの苦味がほどよくなじんで味も深まります。
ゴーヤー | 1本 |
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★ 挽き肉だね | |
・ 鶏挽き肉 | 180g |
・ 生姜 | 大1片分(みじん切り) |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
・ 粗挽き黒胡椒 | 小さじ1/2 |
・ 片栗粉 | 小さじ1 |
片栗粉 | 適量 |
油 | 大さじ1(米油などくせのないもの) |
★ たれ | |
・ 醤油 | 大さじ3 |
・ みりん | 大さじ3 |
・ 酒 | 大さじ1 |
・ きび砂糖 | 小さじ2 |
温泉卵 | 1個 |
ゴーヤーは縦半分に切って種とワタを取り除き、内側に縦に数本の浅い切り込みを入れる。ボウルに挽き肉だねの材料を合わせ入れ、粘り気が出るまで手でよく混ぜる。
ゴーヤーのくぼみに挽き肉だねを詰め、表面を平らにならす。焼く直前に肉だねの表面に片栗粉を薄くまぶす。
熱したフライパンに油をひき、2の肉だねの面を下にして並べ入れ、蓋をして3分ほど焼く。焼き色がついたら裏返し、湯1/2カップを加えて再び蓋をして弱めの中火で6~7分、水分がなくなるまで蒸し焼きにしたら一度取り出す。
3のフライパンにたれを煮立たせ、フライパンを傾けながらとろみが出るまで煮詰め、3を戻し入れてさっと煮からめる。食べやすく切って器に盛り、たれも回しかけ、温泉卵をのせる。
料理研究家。人気の料理教室「日々の飯まま事ごと」主宰。自ら畑を耕すほどの野菜好き。野菜の旬をいち早く察知し、料理をつくる。みなぎる野菜の力に、つくり手の食いしん坊パワーがプラスされた料理は、食べ手の鼻と舌を魅了する。食を通して季節の移り変わりを提案。また、花や雑貨と料理のコラボレーションの提案や数々のイベント企画など、活動は多岐にわたる。近著に『春夏秋冬ふだんのもてなし』(KADOKAWA刊)がある。
文・中村裕子 撮影・野口健志
この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。