スペインの家庭では、やわらかいやりいかを使った詰め物が人気。日本なら、お米を詰めていか飯にするところですが、炒めたげそと玉ねぎを詰めるだけのスペイン式は食後感も軽やか。いかのだしがしみ出たトマトソースが美味です。スペインの夏の定番家庭料理をマドリード滞在歴14年の料理研究家、丸山久美さんに教えてもらいました。
中に詰めた玉ねぎの甘味と、いかのだし、トマトソースの酸味がいいバランスで溶け合います。やりいかが手に入らないときは、小さめのするめいかを使っても。
いか | 2~4はい(やりいか) |
---|---|
玉ねぎ | 2個分(みじん切り) |
にんにく | 2片分(みじん切り) |
ホールトマト | 400g(缶詰) |
小麦粉 | 少々 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
砂糖 | 小さじ1 |
塩 | 小さじ1/4 |
胡椒 | 少々 |
いかは内臓を取り除き皮をむく。足とえんぺらはみじん切りにする。
フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて中火にかけ、玉ねぎを炒める。しんなりとしたらにんにくを加えてさらに炒め、半量をソース用に取り分けておく。
2のフライパンに残した半量に、いかの足とえんぺらを加えて炒める。塩少々(分量外)、胡椒で味をととのえ、粗熱を取る。
1のいかの胴に3を詰めてつまようじで留め、小麦粉を薄くはたく。
フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて中火にかけ、4の両面をさっと焼いて取り出す。
5のフライパンに、2で取り分けた玉ねぎとにんにくを炒めたものを戻し、トマトの水煮を加える。塩、砂糖をふり、トマトをつぶしながら混ぜる。5のいかの詰め物を戻し、蓋をして弱火で20~25分煮込む。途中、いかの上からソースをかけながら、ソースがとろりとなるまで煮詰める。水分がなくなり焦げそうになったら、水少々を加えてもよい。
ツアーコンダクターとして世界中を回った後、スペイン・マドリードで14年暮らす。2001年に帰国後は、スペインの家庭料理を中心に料理教室を主宰しながら雑誌やウェブでも活躍。著書も多数出版。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
※この記事は四季dancyu「夏の台所。」に掲載したものです。