ローストチキンをしっとりおいしく仕上げるコツ、見せちゃいます。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに活動するオカズデザインの二人は、東京と岡山で二拠点生活をしています。文字どおり「水が合った」という蒜山・中和で暮らすようになって、今まで以上に、手の届く範囲のものを使って料理をするようになったそう。そんな二人の自宅ごはんを習いました。
塩と砂糖を溶いた水につけることで、長時間焼いても身がやわらか。中に詰めたマッシュルームとごぼうの風味がよりご馳走感をふくらませます。時間のかかる料理ですが、それ以上の喜びのある味わいです。
丸鶏 | 1羽(約1.2kg) |
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水 | 900ml |
塩 | 36g(水の4%) |
砂糖 | 18g(水の2%) |
レモンの皮 | 1個分(約20g) |
タイム | 3枝 |
セージ | 3枝 |
ローリエ | 2枚 |
にんにく | 1片 |
黒胡椒 | 15粒(ホール) |
★ スタッフィング | |
・ ブラウンマッシュルーム | 5個 |
・ ごぼう | 15cm(50g) |
・ にんにく | 1片 |
・ 粒黒胡椒 | 小さじ1 |
・ オリーブオイル | 大さじ1 |
・ 塩 | 少々 |
★ ガーリックバター | |
にんにく | 1片分(すりおろし) |
有塩バター | 大さじ2(15g) |
丸鶏のお腹やお尻のあたりに黄色い脂肪があれば、包丁で切り取り、内側をよく洗ってザルにあげて水気をきっておく。スタッフィング用のにんにく1片は皮をむき軽くつぶしてから、みじん切りにする。
ボウルに水、塩、砂糖を合わせてよく溶く。レモンの皮、タイム、セージ、ローリエ、にんにく、黒胡椒を加える。
鶏が丸ごと入る密閉できるポリ袋に丸鶏を入れ、2を注いで口をしっかり留める。冷蔵庫で1日ねかせる。
鶏を冷蔵庫から取り出し、塩水を捨ててさっと全体を洗ってキッチンペーパーで水気をしっかり拭く。鶏の内側はざっと拭いてからペーパーをぎっしり詰めておく。
バターを常温にもどし、にんにくとよく混ぜ、丸鶏全体に塗る。お腹の内側からペーパーを取り出し、中にも塗る。2で使ったタイムとセージをさっと洗い水気を拭いてから詰める。
粒胡椒は乾いた布巾にくるみ、麺棒でたたいて1粒が4つ割りになるくらいまで砕く。ごぼうはよく洗って水気を拭き、長さ2cmに切り水にさらしてアクを抜く。5分ほどしたらザルにとり、水気をきる。マッシュルームは石突きのところを薄く切り落とし、泥がついているところがあればキッチンペーパーで軽く拭き取る。
小鍋ににんにくとオリーブオイルを入れ、弱火で熱する。香りが出てきたらごぼうを入れ、中強火にして3分ほど炒め合わせる。マッシュルームを入れてさらに炒め、全体に塩と砕いた黒胡椒をふり火を止める。
鶏の中に7を詰め、竹串で縫うようにお腹をふさぐ。ももの足首の部分と手羽の部分をタコ糸でしばる。
天板の上に金網をのせ、その上に8の鶏を置く。220℃に予熱したオーブンで10分焼く。オーブンを180℃に下げ、さらに1時間焼く。その間15分ごとに取り出し、天板にたまった肉汁を肉にかける。上の部分が焦げそうだったら、アルミホイルをかぶせる。焼け落ちてくる肉汁がピンクでなくなれば焼き上がり。網の上で5分休ませる。
鶏肉を解体して器に盛り、肉にスタッフィングを添えてサーブする。
2000年結成。書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がける。東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」をオープン。作家の器の展示、季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催している。著書に『二菜弁当』『マリネ』など。映像では映画『食堂かたつむり』、NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』などの料理指導、監修・制作を担当。
写真:キッチンミノル 文:椙下春子
この記事は四季dancyu「春の食卓。」に掲載したものです。