せっかく上等な食材を手に入れたなら、いつもよりちょっと高級なビールを選びたい。少し手の込んだ料理をつくり、冷えた缶をプシュッと開けるその音が、贅沢な家飲みの開始を告げる。今回は「銀座 矢部」店主・矢部久雄さん直伝の、生と乾燥の桜海老のかき揚げを食べ比べ。ザ・プレミアム・モルツの心地よい香りとコクのある味わいが、互いに引き立て合う。ごちそうレシピで、さあ乾杯!
「旬を迎えた桜海老は天ぷらにすると香りがすごいんですよ」と話すのは銀座の蕎麦割烹「矢部」店主・矢部久雄さん。手にするのは生桜海老と華やかな香りで“いつでも旬”のザ・プレミアム・モルツ。食材にもビールにも「本物を求める」という矢部さんらしい選択だ。とっておきの食材にはいつもより少し贅沢なビールを選びたいもの。
ところで、天ぷらにビールは相性抜群だが、矢部さんによると「味わいはしっかりしているけど、スッキリとしたビールが食を引き立てる」とのこと。深いコクがありながら、心地よい後味のプレモルは、まさにうってつけなのだ。
軽い衣の歯ごたえと、桜海老の香ばしさ。その後をホップの華やかな香りと喉ごしが追いかけていく……「ああ、うまい!」と思わず声が出る矢部さん。一方、乾燥桜海老と新玉ねぎのかき揚げは、海老の香りに加えて「プレモルのコクが玉ねぎの甘味を引き出してくれる」印象だ。矢部さんに仕事終わりはビールを?と水を向けると「若いころから、それはもうね」とご機嫌な笑顔でグラスを傾けた。ちょっと贅沢なビールと過ごす至福の家飲みがここにある。
おいしく天ぷらを揚げるコツは油の温度。165~170℃が目安だが、「衣を油に落とし、少し沈んで、鍋底につかないうちに浮いてくるのがちょうどいい」と矢部さん。プロの見極めのポイントを教えてくれた。
今回は、生桜海老に加え、乾燥桜海老と新玉ねぎのかき揚げも用意。二種の桜海老の風味を楽しもうという算段だ。「おいしいビールが待ってるからね」とさっそく調理を始める。
生桜海老はひげが絡んで揚げるときにまとまりやすいからと、衣はゆるく、薄くして色鮮やかに仕上げると、桜海老の香りが部屋中に広がった。
桜海老(生) | 70g |
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卵液(※) | 大さじ1と1/2 |
薄力粉 | 大さじ1 |
※卵液は全卵1個に対して、450mLの水を合わせてよく混ぜたもの。
卵液をボウルに入れ、薄力粉を加える。ダマがなくなるまで混ぜ合わせ、衣をつくる。揚げ油を165℃に温める。
桜海老を別のボウルに入れ、衣を加えて満遍なくまとわせる。生の桜海老はまとまりやすいので、衣はゆるめ、少なめでよい。お玉などで一つにまとめるようにして揚げ油へ入れる。
お玉や菜箸、鍋肌を使って形が丸くなるように整えて、30秒ほど揚げたら慎重に上下をひっくり返す。箸で中心を軽く押し込んで、緩やかなすり鉢状にする。計3分ほど揚げ、油の泡立ちが大きくなりパチパチと爆ぜる音がしてきたら網などに取り上げて、余分な油をきる。
桜海老(乾燥) | 20g |
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新玉ねぎ | 1/2個 |
卵液(※) | 大さじ4 |
薄力粉 | 適量 |
※卵液は全卵1個に対して、450mLの水を合わせてよく混ぜたもの。
新玉ねぎは1.5cm角に切り、桜海老、薄力粉大さじ1/2とボウルで混ぜ合わせる。
別のボウルで卵液と薄力粉大さじ4と1/2をダマがなくなるまで混ぜ合わせて、衣をつくる。揚げ油は165℃に温める。
具材に衣を満遍なくまとわせる。生桜海老のときよりも衣はしっかりめ。お玉などで一つにまとめるようにして揚げ油へ入れる。
お玉や菜箸、鍋肌を使って形が丸くなるように整えて、30秒ほど揚げたら慎重に上下をひっくり返す。箸で中心を軽く押し込んで、緩やかなすり鉢状にする。計3分30秒ほど揚げ、油の泡立ちが大きくなりパチパチと爆ぜる音がしてきたら網などに取り上げて、余分な油をきる。
銀座 矢部
【住所】東京都中央区銀座8‐8‐8
【電話番号】03‐3573‐4888
【営業時間】11:30~14:00(L.O.)17:30~21:30(L.O.)
【定休日】日曜・祝日
昼はせいろそば1100円~、おまかせ8800円、夜はおまかせの季節の料理コース1万8150円~。
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文:深井戸 月 写真:山出高士