食欲を刺激する秋の食材レシピ
ほんのり酸っぱくて香りのいいすだちシロップ

ほんのり酸っぱくて香りのいいすだちシロップ

料理研究家の植松良枝さんは、秋になるとすだちを箱買いするそう。1、2個買うより割安で、たっぷり楽しめるからです。そうなったら、つくりたいのがすだちシロップ。そのまま炭酸で割ったりヨーグルトにかけたり、ラッシーも楽しめます。

秋の楽しみ「すだち」

すだち

一年中、目にするすだちですが、露地物は最盛期を9月に迎えます。まだ暑さは厳しいですが、立秋が過ぎたらすだちチェック。箱売りしていないかを確かめます。1個、2個と買うと、旬といえどもかなり割高。箱には、サイズにもよりますが30個以上も入っていて、とてもお得なのです。秋の定番、さんまの塩焼きにギュッと搾る、というところから始め、焼き鮭にもしらすおろしにも、さらに青菜のサラダや鶏のから揚げ、冬瓜の胡麻酢和えにもすだちが活躍。香りが豊かな皮も、すりおろして料理やスイーツに。味噌汁にパラリと加えるのもおすすめです。箱買いすると、たっぷり使える幸せに浸れます。

保存は蒸れないように紙袋に入れてからジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜いてコンパクトにし、冷蔵庫の野菜室で。黄色くなってきたものは甘味が増して、芋焼酎のロックやモヒートなど、お酒との相性が抜群です。

すだちシロップのつくり方

ほんのり酸っぱくて香りのいい、爽やかなすだちシロップ。簡単にできるのでつくっておくと便利です。ソーダ水に入れるだけでキレのいいドリンクに。牛乳と合わせたヨーグルトに入れてラッシーに、もっとシンプルに、水きりをしたヨーグルトにかけただけで上品なデザートに。ご紹介するチーズケーキもすだちの香りたっぷり。シロップは冷蔵庫で4~5日保存可能。途中はちみつと水を足してもOKです。

材料材料 (つくりやすい分量)

きび砂糖1カップ
100ml
すだち5個

1砂糖を溶かす

小鍋に水ときび砂糖を入れて煮立たせ、砂糖が完全に溶けたら火を止め、粗熱がとれるまで冷ます。

2すだちを輪切りにする

すだちをごく薄い輪切りにし、種を丁寧に取り除く(スライサーがあると便利)。

3シロップに漬ける

広口の瓶などにすだちのスライスを入れてシロップを加え、めん棒などで数回突き、蓋をして保存する。冷蔵庫で半日以上おいてから使うと香りやエキスが出てくる。

シロップに漬ける
完成
シロップは冷蔵庫で4~5日保存可能ですが、すだち5つ分ならあっという間に消費できます。途中ではちみつと水と少し足してもOKです。

すだちシロップで、すだちラッシーをつくりましょう

プレーンヨーグルト300mlと牛乳150mlをよく混ぜ合わせ、すだちのシロップを適量加えて好みの甘さにし、冷蔵庫でよく冷やします。

ラッシー
すだちシロップがあればすぐつくれる爽やかラッシー。酸味のつよいタイプの無糖のプレーンヨーグルトが合います。さらっとした飲み口です。

教える人

植松 良枝 料理家

植松 良枝 料理研究家

料理教室「日々の飯事」主宰。自宅近くに畑を持ち、種まきから収穫まで野菜づくりを楽しんでいる。野菜の力を生かした料理は、ナチュラルで食べ手の舌を満足させてくれる。季節の移り変わりを敏感に察知し、料理のコラボレーションの提案や数々のイベント企画など、多岐にわたる活動に映し出す。近著に「春夏秋冬 ふだんのもてなし」。

文:中村裕子 撮影:野口健志

四季dancyu「秋のキッチン」
四季dancyu「秋のキッチン」
A4変型判(120頁)
2020年9月11日発売/1,000円(税抜き)
中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。