飲んだ後は締めになにか食べたくなりますよね。そんな時は焼きおにぎりをつくってみてはいかがでしょうか?醤油の香ばしさとカリカリの食感を堪能してみてください。
夜のおにぎり、それは多くの場合、飲みの場を締めるためにある。それまでも、さんざっぱら食しているにもかかわらず、なにがなんだかどうしようもなく、最後には炭水化物が欲しくなる。そして、お品書きの最後のほうにチラリと目を向けたなら“焼きおにぎり”と書いてあることが、実に多い。なぜおにぎりを「焼く」のだろうか。醤油の焦げた香りとカリカリッとした食感が、酒飲みの心をそそるからか、もしくは焼き台の網の有効活用か、その真意は測りかねるまま、欲しいんだもの、ええい、ままよ!とばかりに、とりあえず食う。そんな締めの焼きおにぎりを、オカズデザインの二人は追求した。カリッと香ばしく、ふわりとほどけるおいしさにはどんな具がお誂え向きなのか。究めれば究めるほど、意外な深さに気づくのだった。
米 | 1.6合(240g) |
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もち米 | 0.4合(60g) |
大豆※ | 1/4カップ(一晩水に浸す) |
A | |
・ 昆布水 | 400mL(昆布5㎝角を一晩つける) |
・ 酒 | 大さじ1/2 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 淡口醤油 | 小さじ1/2 |
だし醤油 | 少々 |
※時間がないときは、市販の煎り大豆で。
白米ともち米はそれぞれ研ぐ。もち米はぬるま湯に1~2時間つけて、ザルに上げ、水気をきる。白米はすぐザルに上げてラップをし、表面が乾かないよう時々全体を混ぜながら、こちらも1~2時間置く。
鍋にAを入れて塩をよく溶かし、①を入れる。夏は30分、冬は1時間置く。
フライパンに油をひかず戻した大豆を入れ、強めの中火で絶えず揺すりながら煎る。弾けるような音がしてきたらごく弱火にし、焦げないように揺すりながら20分煎り、うっすらと焼き目がついたら火を止める。
煎りたての熱い大豆を②に入れて炊き、沸騰したら弱火にして7~8分、火を止めて15分蒸らし終わったらさっくりと混ぜる。
炊きたてのご飯を100g取り、手に塩水(分量外)をつけてしっかりめにむすぶ。同様にして残りもむすぶ。粗熱が取れたら、焼き網に油(分量外)を塗って強火で熱し、おにぎりをのせ、中火にする。
転がしながら全面を焼く。うっすら焼き色がついて表面が固まったら、刷毛でだし醤油を塗る。焼く面を変えながら全体を香ばしく焼き上げる。
吉岡秀治・知子夫妻が結成した、料理とデザインのチーム。NHK連続テレビ小説「てっぱん」や、映画『食堂かたつむり』での料理監修をはじめ、“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに多方面で活躍。著書に、新刊の『マリネ』(主婦と生活社)ほか多数。
文:山村光春 写真:上山知代子
※この記事の内容はdancyu2014年11月号に掲載したものです。