夏本番の季節は厳しい暑さが続き、夏バテになりがち。冷たい物で体を冷やしたくなりますが、汗で失われた塩分を摂ることも大事です。そんな夏バテ防止にぴったりの飲み物をご紹介します!
茶葉を煮立てて抽出した、濃厚なティーベースをつくっておいて、冷たい牛乳に注ぐ方法なら薄まることもない。コクがあってキレもある、圧倒的においしいアイスミルクティーが、毎回間違いなくつくれます。それをベースに、ちょこっと牛乳に手を加えて夏向きの飲料をつくってみましょう。某麦芽飲料のような香ばしさ、キャラメルを思わせる甘じょっぱさで、飲みごたえ十分。
その1:ミルクティー用の茶葉
ミルクティーをつくるときだけは、短い時間で紅茶の成分がしっかり出る、CTCという茶葉を使う。茶葉をつぶして(Crush)、ちぎって(Tear)、丸めた(Curl)、コロコロの粒状。お薦めはアッサム。他の茶葉と違って小鍋で煮立てて使うと、ミルクに負けない味が出せる。
大西さんがミルクティーに使うのは、低温殺菌タイプの牛乳。濃厚なイメージがあるが、「実は後味がすっきりしていて、舌に粘りつく感じがないんです」。一般的な牛乳は保存性を重視して、100°C超の高温で2~3秒殺菌するのに対し、低温殺菌タイプは60°C台で30分。殺菌効果は同等ながら、牛乳の風味が失われにくい。
氷を入れても薄まらない、こっくりとした旨味のミルクティーに必要なのは“ティーベース”だった。紅茶の成分を凝縮させた、不思議と白濁したこのベース、冷たい牛乳に合わせれば、紅茶の存在感を失わないミルクティーが完成する。
CTC茶葉 | 20g |
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水 | 200ml |
牛乳 | 100ml |
きび砂糖 | 小さじ2 |
ヒマラヤ塩 | 少々 |
水と茶葉を鍋に入れる。茶葉は水分を吸うので、100ml抽出するなら、倍の200mlの水が必要。茶葉はゼロを一つ取って20g。
火にかけるとまもなく湯気が立ち上り、鍋の中の茶葉がハタハタと動き始める。
さらに煮立てて、茶葉がこんもり盛り上がってきたらOK。すぐに煮詰まるので、目を離さないようにする。
茶漉しで漉す。目標の量よりも少なかったら、茶葉をスプーンで押して絞り取ってもいい。
シェイカーを用意し、半分ほどの氷と、牛乳100mlを入れる。蓋付きの容器を活用してもよい。
きび砂糖小さじ2、ヒマラヤ塩少々を入れる。ほんのり甘く、わずかにしょっぱい分量。
10~15秒ほどシェイクすると、ふわふわの冷たいフォームドミルクができる。
泡が消えないうちに、7のミルクをグラスに注ぐ。少し褐色でとろっとしている。
ティーベース大さじ1強を注げば(比率は3:1~4:1)、夏バテも解消できる、ソルトミルクティーの完成。
24歳で喫茶店に転職して、最初の仕事はアイスティーを客席に運ぶこと。「西洋も東洋もない紅茶の世界を築きたい」と屋号を定め、茶葉販売の傍ら、著書や国内外での教室で紅茶の楽しさを伝えている。毎年テーマを一つ決め、“大西のスタイル”を突き詰めており、アイスティーについてはストローなし、細かい氷なしの現在のスタイルに到達した。
文:松野玲子 写真:牧田健太郎
※この記事の内容はdancyu2018年9月号に掲載したものです。