ストレートティーのつくり方をマスターできれば、どんな茶葉でもアイスティーがつくれます。たとえば、大西さん考案の「ハーブクーラー」。アイスラベンダーティーに柑橘のシロップを加えた優雅な飲み物は、日本のみならず海外のイベントでも大喜びされると言います。ぜひいろいろなハーブで試してみてください!
ラベンダー、カモミール、ハイビスカスなどハーブを使ったお茶は、冷たくしても香りが立つ。さらに搾った柑橘のシロップなどで、軽やかな甘味を加えると、夢のような味わいのアイスティーになる。
その1:美味しい茶葉
本当においしい紅茶を淹れたいなら、質のいい茶葉が欠かせないのは事実。葉の形を残したリーフティーならゆっくり抽出して、やわらかい味わいのアイスティーに。リーフティーを砕いたブロークンの茶葉なら、熱湯で抽出してキリッとしたアイスティーに。まずは手元にある茶葉を生かして淹れてみよう。
その2:氷を贅沢に
アイスティーがおいしくならない大きな理由は氷にある。まず圧倒的に量が足りない。しっかり冷やすには紅茶と同量の氷が必要だ。冷蔵庫の製氷皿の氷でもいいけれど、思い切って市販のロックアイスを使ってみよう。「グラスに大きな氷が入るだけで、豊かな気分になります」。数百円で叶う贅沢だ。
その3:道具を用意
常にストライクゾーンのおいしさで、アイスティーを淹れるには、正しい割合で茶葉、湯、氷を合わせること。そのためのキッチンスケールと、抽出時間を計るタイマーは不可欠だ。紅茶の抽出にはティーポットを使ってもいいが、耐熱のビーカーを使うと、湯量も目視で計れてとても便利(蓋は何でもいい)。
ラベンダー | 3g(ドライ) |
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湯 | 150ml |
氷 | 150g |
柑橘の果汁 | 2個分(レモン、グレープフルーツなどなんでも) |
蜂蜜 | 40~50g |
好みの柑橘を半分に切り、80~100mlの果汁を搾る。写真はグレープフルーツ。
果汁の半量の蜂蜜を混ぜる。蜂蜜は、砂糖よりも甘さが軽いため、爽やかな飲み物にぴったり。
完成量300mlのアイスハーブティーをつくる。ラベンダーをポットに入れ、熱湯を150ml注ぎ、1~2分抽出する。長く置くと苦くなってしまうので注意。
150gの氷に、ラベンダーティーを一気に注ぎ入れれば、淡い紫が涼しげなアイスハーブティーが完成。スプーンでかき混ぜてよく冷やす。
グラスにシロップ20~30ml(大さじ1強~2)を入れ、大きな氷(分量外)を入れる。
氷に伝わせるようにして、ハーブティーを静かに注ぐ。シロップとラベンダーが2層に分かれているうちにいただこう。
24歳で喫茶店に転職して、最初の仕事はアイスティーを客席に運ぶこと。「西洋も東洋もない紅茶の世界を築きたい」と屋号を定め、茶葉販売の傍ら、著書や国内外での教室で紅茶の楽しさを伝えている。毎年テーマを一つ決め、“大西のスタイル”を突き詰めており、アイスティーについてはストローなし、細かい氷なしの現在のスタイルに到達した。
文:松野玲子 写真:牧田健太郎
※この記事の内容はdancyu2018年9月号に掲載したものです。