「ガシラ」とはカサゴや赤メバルと呼ばれる磯魚です。ムチッとした弾力感のある身は、淡白な中にも豊かな旨味があります。トマトのフルーティーさのおかげで、どこかイタリアンな一品。ドライなスパークリングワインが恋しくなります。
田中裕子さんに教わったレシピは、冷めても、むしろ冷めてからのほうが味が落ち着いておいしくなる。つくり置きができるありがたいレシピばかり。コツは魚の下処理を丁寧にすること。塩をふり、焦らず時間を置いて水分を抜くことで、味がよくなじむ。
「ガシラのハーブ焼き」も最初にしっかり塩をなじませて水分を除くと、魚の持つ甘味が驚くほど引き立つ。マリネした魚は、グリルした後、マリネ液を煮詰めたソースをかけるだけ。だから、香ばしい上に身が崩れない。白身魚の切り身でもつくれる。
ガシラ※ | 4尾 |
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塩 | 小さじ2 |
A | |
・ オリーブオイル | 200ml |
・ 淡口醤油 | 小さじ2 |
・ エルブドプロバンス | 小さじ1(粉) |
・ ローズマリー | 2本(生。葉を枝から外す) |
・ ローリエ | 4枚 |
・ にんにく | 2片(つぶして粗みじん切り) |
・ 赤唐辛子 | 3本(種を除く) |
・ 黒粒胡椒 | 小さじ1 |
ミニトマト | 8個 |
パセリ | 少々(みじん切り) |
レモン | 4枚(薄切り) |
※他にスズキや鯛、イサキなど、好みの白身魚でOK。
魚はウロコと内臓を取ってよく洗い、水気を拭いておく。
魚の両面に塩をふり、上下を返してなじませる。2時間ほど置いたら、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取る。
バットに2を並べ、Aの材料を加えて両面によくもみ込み、30~40分マリネしてなじませる。
魚を取り出し、オーブンか魚焼きグリルで香ばしく焼く。
残った3のマリネ液を小鍋に移し、中火で2分ほど煮る。にんにくが少し色づき、香りが立ってきたら取り出す。
仕上げにミニトマトを加え、つぶせる程度に柔らかくなるまで火を通したらソースの完成。皿に魚を盛り、ソースをかけ、パセリを散らす。
文:本庄 彩 写真:高見尊裕
義姉・梅原砂織さん(写真右)とともに、オーガニックワインや純米酒に合う新しいレシピを次々と考案し、明石の魚介や県産の野菜を使った家庭料理が評判を呼ぶ。料理に使う井上しょうゆ、三河みりん、シママースの塩、澤屋まつもと厨酒などといった調味料も裕子さんが厳選。
※この記事の内容はdancyu2014年月9号に掲載したものです。