皮はトロリ、身はしっとりの金目鯛の煮つけ。煮汁もおいしいので、ご飯にかけるのもお薦めです。東京の下町にある「根津松本」には、高級料亭が仕入れる魚以上の魚が並ぶ。今回は、日本一の魚屋と呼ばれる店の店主・松本秀樹さんに煮魚のつくり方を教わりました。
金目鯛 | 大きめの半身(約500g、3等分に切ったもの) |
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水 | 300~400ml |
酒 | 300~400ml |
中ざら糖 | 大さじ3~4 |
醤油 | 大さじ3~4 |
味醂 | 大さじ1 |
生姜 | 3枚(薄切り) |
骨が付いている半身の場合は、旨味が出るので骨付きのまま煮る。取り残したウロコがあれば骨抜きを使って取り除き、斜めに一本、皮目に飾り包丁を入れる。
皮目のみに少量の熱湯をかけて霜降りに。「ウロコの取り残しも確認して」と、松本さん。
余熱で火が通らないように、すぐ氷水に取り、キッチンペーパ ーで水気を拭き取る。
鍋に水と酒を1:1の割合で合わせる(魚がかぶるくらい)。中ざら糖を加えて強火にかける。
煮汁が沸いたら、皮目を上にして金目鯛を入れる。アクが浮いてきたらこまめに取り除く。
醤油、味醂、生姜を加えて、再び煮立ったら煮汁を味見。ここで味を決めることが大切!
落とし蓋をして、弱火で6分煮る(魚を入れてから12~13分)。時々煮汁を回しかける。
すっきり澄んだ味わいの煮つけが完成。皮目のみを霜降りにするので、脂の旨味も逃さない!
金目鯛を捌くときの敵は、びっしり身を覆うレンズのような硬いウロコ。ウロコ引きを尾から頭に向かって動かして、丁寧に取り除く①。エラとアゴの付け根を切り、エラから肛門にかけて浅めに包丁を入れ、内臓を傷つけないようにエラごと取り除く②。そして流水に当てながら、中骨についた血や汚れを歯ブラシでかき出す③。頭を落とし、二枚おろしにする④。
1971年、北海道旭川市生まれ。両親も鮮魚店を営む。百貨店の高級鮮魚店を経て35歳で独立、「根津松本」を開業。
文:大沼聡子 写真:泉 健太
※この記事の内容はdancyu2018年1月号に掲載したものです。