5月の後半から市場に出回り始める梅を使って、梅酒をつくってみませんか?家でつくれば、梅酒の甘味を好みに調整することもできます。そのまま飲んでも、割っても、お料理に使っても美味しいですよ!
甘酸っぱくて香りよし、お酒に弱い人にも人気の梅酒。梅酒に含まれるクエンの量はレモンの15倍とも言われ、疲労回復や血液をきれいにする効果が期待できます。疲れたときの梅酒はリラックス効果抜群。
飲むだけではありません。料理に使うと、アルコール効果で肉は柔らかく、魚の臭みもカバーできます。さらに酸味と甘味で味わい深く。初夏の梅仕事、楽しみはたくさんありそう。
梅は5月の後半から出回り始めます。梅酒づくりには黄色く熟す前の青梅を使います。青梅の旬は5月下旬から6月下旬までの約1ヶ月間です。爽やかな緑、表面にはうぶ毛が生えています。
まず、大きめのものを選ぶのがポイントです。果肉が大きいものはジューシーでエキス分もたっぷり。実を食べたときの満足感も十分です。ハリ、ツヤがあってみずみずしいものを選ぶことも忘れずに。
梅酒をはじめとした果実酒には氷砂糖を使います。すぐに溶けてしまう粉状の砂糖に比べると溶け方がゆっくり。だから、梅にも糖分がゆっくり浸透していきます。上白糖などの粉状の砂糖でつくるとすぐに溶けてしまうので、一気に梅に糖分が浸透していき、その結果、梅の表面がシワシワになってしまいます。
砂糖の分量は好みですが、梅と同量でつくるとても甘い梅酒になり、8割前後であればバランスのよい甘味になります。5割程度であれば甘味控えめ、4割以下だと甘味が控えられていることで酸味を強く感じる味になります。
多くは「果実酒用」としても売られているホワイトリカーでつくリます。果実酒は家庭であってもアルコール分20度以下の酒でつくることが法律で禁止されています。その点、ホワイトリカーは35度程度のアルコール分で無味無臭。梅の香りや味わいをそのまま生かすことができます。また、アルコール分が高いことで果実のエキスを抽出しやすく、さらに腐敗を防ぎ、長期保存ができるのです。
青梅 | 1kg |
---|---|
氷砂糖 | 700~800g |
ホワイトリカー | 4~4と1/2カップ |
青梅は竹串でへたを取る。
たっぷりの水でやさしく洗う。
ザルにあげて水気をきり、布巾でやさしく拭く。
煮沸した保存瓶に氷砂糖1/3量、梅1/2量を入れる。
氷砂糖1/3量、残りの梅、残りの氷砂糖を順に入れてホワイトリカーを注ぐ。
蓋をして密封し、冷暗所で3ヶ月~1年間漬ける。
こちらは砂糖がすべて溶けた状態。あと一息。3~4カ月おいたら完成。
完成する夏のころには、ソーダで割って爽やかな梅酒ドリンクを楽しみましょう!
シンプルながら失敗なくつくれるレシピに定評がある料理研究家。特別な素材、調味料は使わず、余分な手間はそぎ落とした“引き算の料理”が身上。しみじみとおいしく、何度もつくりたくなる料理ばかりです。
文:中村裕子 写真:原ヒデトシ
※この記事の内容はプレジデントムック手ほどきdancyu「さとう」に掲載したものです。