生産者の思いを受け止め4つの料理が完成

生産者の思いを受け止め4つの料理が完成

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台風・豪雨被害を受けた農家の視察を終えたシェフたち。生産者の思いを受け止め、彼らの食材の魅力を発信すべく新しいレシピづくりに取り掛かった。気鋭のシェフたちは、どんな料理をつくり上げたのか?クッキングスタートだ!

萩シェフの「長兵衛いものクロケット」

「ファーム白石の長兵衛いもは掘りたてをゆでて塩をつけるだけでおいしい。その持ち味を生かすために、引き算の調理法を考えました」。福島県いわき市の「HAGIフランス料理店」の萩春朋オーナーシェフは、「ほかの里芋とは全然違う。まるで生チョコのような食感」と長兵衛いもを絶賛し、メニューに取り入れてきた。長兵衛いもの魅力を知り尽くす萩シェフが、最新作として挑んだ引き算メニューは「長兵衛いものクロケット」だ。
「長兵衛いもが一番おいしいのは、収穫してから2~3日です。そのおいしさを調理によって閉じ込めようと考えました」。萩シェフはさっそく調理にとりかかかった。

長兵衛いものクロケット
萩さんの工夫が詰まった「長兵衛いものクロケット」。畑から掘り出した長兵衛いもをイメージして成型している。

「長兵衛いものクロケット」

材料 材料 (5個分)

長兵衛いも 300g(5個分)
小さじ1
パン粉 適量
揚げ油 適量
【バッター液】
・ 小麦粉 大さじ4
・ 卵 1個
・ 水 小さじ2
【柚子味噌】
・ 砂糖 400g
・ 味噌 400g
・ 味醂 大さじ2
・ 柚子 3個(皮はすりおろし果汁を絞っておく)
【ミックススパイス】
・ アーモンド 大さじ4
・ 白胡麻 小さじ1
・ コリアンダーシード 大さじ1と1/2
・ クミンシード 大さじ1
・ オレガノ 小さじ1
・ 塩 小さじ1

1長兵衛いもの下ごしらえ

長兵衛いもの下ごしらえ
長兵衛いもをゆでる。竹串がスッと通ればゆで上がり(10分程度が目安)。
長兵衛いもの下ごしらえ
ゆで上がったらザルにあけて粗熱を取り、皮をむき、すり鉢などですりつぶす。少し食感が残るように、粗くつぶすのがコツ。
長兵衛いもの下ごしらえ
つぶした芋全体に塩をふり、混ぜ合わせて長兵衛いもの形に丸める。ミックススパイスはすべての材料をミルやミキサーに入れ、混ぜ合わせる(ない場合はすり鉢ですりつぶしながら合わせる)。

2柚子味噌をつくる

鍋に砂糖、味噌、味醂を入れ、弱火にかけながらなめらかになるまで混ぜ、ヘラにとってぽたりと落ちるぐらい(水飴程度)の硬さまで煮詰める。そこへ柚子の皮をおろしたものと果汁を入れ、よく混ぜ合わせる。

柚子味噌の出来上がり
柚子味噌の出来上がり

3バッター液に長兵衛いもをくぐらせ、油で揚げる

バッター液に長兵衛いもをくぐらせる
バッター液はダマにならないようによくかき混ぜておく。ここへ下ごしらえした長兵衛いもを入れる。
パン粉をつける
バッター液をくぐらせた長兵衛いもにふんわりとパン粉をつける。
揚げる
170~180℃の油できつね色になるまで揚げる。

4「長兵衛いものクロケット」出来上がり

「長兵衛いものクロケット」出来上がり
皿にミックススパイスを敷き、クロケットをのせて柚子味噌を添える。
萩シェフ
「長兵衛いもの食感は、クリームクロケットに使うベシャメルソースのようになめらかです。このレシピなら冷凍保存もできますから、長兵衛いもの特徴的な舌ざわりやおいしさをいつでも楽しめますよ」と萩シェフ。

中田シェフの「長兵衛いものガレット仕立て」

福島県郡山市のフレンチレストラン「なか田」の中田智之シェフは、長兵衛いもをガレットにした。「このレシピは白石さんのところで食べたお好み焼きをヒントにしています。表面がすごく香ばしくて、これならガレットにできると思って」。長兵衛いもから漂うかすかな土の香りと、磯の香りを蓄えるホッキ貝の組み合わせが絶妙だ。
長兵衛いもづくりには、今年からいわき市のねぎ農家の草野グリーンファームも加わる。収穫量が増えて入手しやすくなれば、「僕がどんどん料理しますよ」と中田シェフ。

長兵衛いものガレット仕立て
「長兵衛いものガレット仕立て」はフレンチの技術が詰まった魅力的なひと皿。ミネラル感のある濃厚な白ワインとよく合う。

「長兵衛いものガレット仕立て」

材料 材料 (5人分)

長兵衛いも 200g(ペースト)
薄力粉 50g
小さじ1/2
茎わかめ 50g(生)
ホッキ貝 2個(生食用)
生ウニ 50g
オリーブオイル 大さじ2
バター 適量
【ソース】
・ ホッキ貝のヒモ 2個分
・ フランボワーズビネガー 小さじ1
・ 生クリーム 50ml
・ 青海苔 5g
・ バター 小さじ1

1長兵衛いものペーストをつくる

長兵衛いもを竹串がスッと通るくらいまで(10分程度が目安)ゆで、ザルにあけて粗熱を取り、皮をむいたら、すり鉢などですりつぶす。食感が残るように少し粗めのペーストにして、ふるいにかけた薄力粉、塩を加え、混ぜ合わせる。

長兵衛いものペーストをつくる

2ソースをつくる

小鍋にホッキ貝のヒモと水100mlを入れて沸騰させ、3分ほどゆでて冷ます。このゆで汁30mlを小鍋に入れて中火にかける。沸騰したら、一度火を止め、フランボワーズビネガー、生クリームを加えてよく混ぜて弱火で煮詰め、青海苔を加える。仕上げにバターを入れ、湯気が出たら火を止める。

ソースをつくる

3長兵衛いものペーストに具材を混ぜ合わせる

具材を混ぜ合わせる
茎わかめを色が変わるまでサッと湯通しし、1cm幅に切る。
具材を混ぜ合わせる
ホッキ貝を1cm程度に切る。
具材を混ぜ合わせる
長兵衛いものペーストに茎わかめ、ホッキ貝を入れて切るように混ぜ合わせる。

4長兵衛いものペーストを焼いていく

焼く
フライパンにオリーブオイルをひく。直径4cm程度のセルクル型を並べ、わかめ、ホッキ貝が入った長兵衛いものペーストを詰める。
焼く
フライパンを中火で熱し、セルクルに入った長兵衛いものペーストに焼き目をつける。セルクルを持ち上げ底がきつね色になったら、ひっくり返して反対側にも焼き目をつける。

5セルクルから長兵衛いものペーストを外して焼き上げる

焼き上げる
余分な油をクッキングペーパーなどに吸わせて取り除く。
焼き上げる
フライパンにバターを加え、加熱しながら長兵衛いものガレットに回しかけて表面がカリッとするまで焼き上げる。

6「長兵衛いものガレット仕立て」出来上がり

「長兵衛芋のガレット仕立て」
ガレットの上にウニをのせ、ソースをかけたら完成。
中田シェフ
「クリーミーな食感の長兵衛いもにはいろんな可能性を感じます。しっかりと焼き目をつけることで、香ばしさともに、白石さんの畑を思わせる土の香りがしてきます。そこへ福島産のホッキ貝、青海苔などの海産物の香りと味を組み合わせました」と語る中田シェフ。

佐藤料理長の「にらま鍋」と「春菊の茶巾寄せ」

東京・広尾の「Ryori 雄」の主人、佐藤雄一さんが新しい料理に仕立てたのは、出身地である茨城県の二つの農場の野菜。小美玉市の東ヶ崎ファームのニラと茨城町のアクト農場の春菊だ。
「東ヶ崎ファームのニラはゆでるだけで最高においしい。シンプルな料理ほど真価を発揮すると思い、簡単だけど心に残るメニューを考えました。アクト農場の春菊は香りが素晴らしく、甘味、苦味に深さを感じます。この特徴が引き立つひと皿を考案しました」と佐藤さん。

にらま鍋
「東ヶ崎さんのにらは香りがやさしく、とても柔らか。ねぎま鍋のにら版がいけると思いました。自分でもおいしさに驚いています。鮪の代わりに鰤など脂ののった魚でも応用できると思います」と佐藤さんは言う。

「にらま鍋」

材料 材料 (2人分)

にら 50g
わかめ 20g
200g
鰹だし 500ml
味醂 50ml
100ml
うす口醤油 50ml
なべで煮る
佐藤料理長

つくり方は簡単!

さくのまま熱湯をかけて霜降りにした鮪を一口大に切る。にらは5cm幅に切る。鍋に鰹だし、味醂、酒、うす口醤油を入れ、ひと煮立ちさせ、鮪とにらを入れる。
具材に火が通ったら完成。鮪は煮すぎず、中がミディアムレアくらいががおいしい頃合だ。

「茨城の食材に誇りを持って料理をつくってきましたが、なかでもこのにらと春菊は自信を持ってお薦めできる逸品です。すごいぞ茨城!」と佐藤さん。

「春菊の茶巾寄せ」

春菊の茶巾寄せ
アクト農場の春菊は香りが素晴らしい。「鮮やかな春菊の緑と、清々しい香りを楽しんでください」と佐藤さんは語る。

材料 材料 (2人分)

春菊 10g(ゆでたもの)
才巻き海老 2尾
生ウニ 15g
うど 15g
鰹だし 240ml
味醂 20ml
20ml
うす口醤油 25ml
板ゼラチン 6g
酢味噌 10g(市販のもの)

1下ごしらえ

下ごしらえ
うどは皮をむき、中心部分を使って桜の花びらの形に4枚切り出す。春菊はしんなりするまで、才巻き海老は色が変わるまでサッとゆでて一口大に切る。鍋に鰹だし、味醂、酒、うす口醤油を入れてひと煮立ちさせ、アルコールをとばし、だしベースをつくる。
下ごしらえ
蕎麦ちょこサイズの器にラップを敷き、春菊、才巻き海老、ウニ、うどを入れる。

2ゼラチンを具材が入ったラップに入れる

ゼラチンを溶かす
ゼラチンを水に入れふやかし、50℃に加熱しただしベースに加えてよく混ぜて溶かす。
ゼラチンを具材が入ったラップに入れる
ゼラチンを溶かしただしベースを氷水で冷やし、ある程度固まってきたら、具材が入ったラップに等分に入れる。

3茶巾絞りにして具材を固めたら出来上がり

茶巾絞りにする
ラップを茶巾絞りにして口をしばり、氷水を入れたボウルに沈め、20分ほど冷やす。
出来上がり
茶巾がしっかり固まったら、ラップを外し、酢味噌を敷いた器に盛りつける。

お問い合わせ情報お問い合わせ情報

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この記事で紹介したお店

HAGIフランス料理店
福島県いわき市内郷御台境町鬼越171‐10
TEL:0246‐26‐5174

なか田
福島県郡山市清水台1‐6‐23
TEL:090‐7563‐4949

Ryori雄
東京都渋谷区広尾1‐15‐3 クオリア恵比寿 パークフロント 1F
TEL:03‐5793‐8139

文:松本えり 写真:山出高士